エピローグ / 187 不死鳥と硝子座プロデュース『バーレスクの予知夢』

[───舞台が終わり、全てを隠され。そうして最後にそこに立っていた『彼女』は笑った]

楽しかったわ。役者になるなんて初めてのことだったけどね。
でも、次からは不意打ちはやめてほしいのだけど？

[クスクスと笑い、左の義肢を撫ぜて]

ここってこんな劇をしてたのね。人を選びそうだけど、人気があるのも分かるかも。

(277) mile_hitugi 2024/05/25(Sat) 12:44:29

保安官ゾーネ

あれ、どうしたの、ハテ。アレッキーノはいつも通りだけど。

(280) mile_hitugi 2024/05/25(Sat) 12:52:42

保安官ゾーネ

あら、そう。
もう舞台は終わったのに、演出家って大変ね？

[小さく肩を竦め]

また何かあったら呼んでね。劇に縁は無くても、ここの細かい調整するの、結構好きなのよ。やりがいがあるから。

(285) mile_hitugi 2024/05/25(Sat) 12:59:55

保安官ゾーネは、>>-2059私も越えているわよ

(A166) 2024/05/25(Sat) 14:34:11

保安官ゾーネは、ハテがそんな動揺してるの珍しいわね。

(A168) 2024/05/25(Sat) 14:35:57

保安官ゾーネ

どうかしたの？

(325) mile_hitugi 2024/05/25(Sat) 23:50:05

保安官ゾーネ

>>326 >>327
何、どうしたの。
別にどこも具合は悪くないわよ？
ほら、左手も稼働十分だしね。

お酒も好きだけど……そもそも、酒場でもないところでそんなに飲んでもしょうがないじゃない。
普通にジャスミンティー、頂くわよ。

(328) mile_hitugi 2024/05/26(Sun) 00:01:00

保安官ゾーネ

>>329アインス
そうなら事前に言ってくれればいいのにねえ……
今度何かお菓子でも持ってきましょうか。疲れているんじゃない？

(331) mile_hitugi 2024/05/26(Sun) 00:07:27

保安官ゾーネ

>>332アインス
そう。次の公演も楽しみにしてるわ。
私はいつも通り裏方の作業でしょうけど。
どんな舞台をしているのか知る事はなくても、それに命を懸けている人たちがいるのは、素敵な事だって思うから。

(333) mile_hitugi 2024/05/26(Sun) 00:23:47

保安官ゾーネは、おさしみ

(A276) 2024/05/26(Sun) 02:39:23

保安官ゾーネは、おめー

(A279) 2024/05/26(Sun) 03:09:12

保安官ゾーネは、せやで

(A325) 2024/05/26(Sun) 14:17:41

保安官ゾーネ

[────彼女はいつも通りそこにいた。「記憶」通りに飲んだくれていた。「私」は笑って、彼女の隣に座った]

また呑んでるのね、ハテ。仕事中じゃないの？

[もうすぐこの舞台も閉じるのだ。ゾーネは再び舞台を降りて、きっと二度とここに上がる事はない、また裏方の仕事に呼ばれるのみだろう]

……じゃあ、そのままでいいわ、酒のツマミにでも聞いてくれる？

(451) mile_hitugi 2024/05/26(Sun) 23:57:57

なんだかね。何かから解き放たれたような気分になったの。
この舞台を降りてから────「役を貰う」ってそういうことなのかしらね。
まるで、生まれ変わった（・・・・・・・）みたいで。

[隣に置いたグラスの中の氷が溶けて、かろんと涼やかな音を鳴らす]

不思議ね。思い返してみると、私、あなたに沢山言ってない事があった気がする。
アレッキーノや、ソフィアや、劇場の皆にも。

[見上げれば幾重にも重なるハロゲンライト、LEDライト。旧式の演出も盛り込まれたアナログな劇場のステージがそこにあった]

……私、ここでの仕事が好きだったの。
無理難題を幾つも押し付けられてはこなして、そのたびに新しい発見があった。開拓があった。
押し並べての画一的な仕事じゃ、決して得られない、だけどどこにも使いようのない知識の宝庫！

……もし後輩たちが引き継いでも、すぐにはこなせないんじゃないかしら。
その位、あなたたちは繊細で、緻密な芸術家だった。

(458) mile_hitugi 2024/05/27(Mon) 00:11:13

保安官ゾーネ

なんでいつも伝えてこなかったんでしょうね。
この舞台に立ったから言う気になったのかしら。

[それは、確かに今まで抱えていて、けれど言葉にしてこなかった]

────また呼んでね、ハテ。
あなたの芸術のひとかけらに、私の灯した"ひかり"があるのは、私にとって誇りなんだから。

[光の国で与えられた、左の技士は静かなまま。向かい合った彼女の持つ瓶に、氷だけが積まれたグラスを微かに当てた]

(460) mile_hitugi 2024/05/27(Mon) 00:16:21

保安官ゾーネ

　　　だって、それは私が生きた証として残るでしょう？

　

(461) mile_hitugi 2024/05/27(Mon) 00:18:24

保安官ゾーネ

[酒は注がず、グラスの中の氷を一粒呷る。透明で冷ややかなそれを噛み砕くと、溶けかけていた氷晶はあっさりと砕けて形を失っていった]

形が、あっても。なくても。
誰かの中に残っていれば、それを「私」と知る人がどこにもいなくたって────あの"ひかり"を、あなた達の映した芸術の一部の中に混じる「私」を、誰かが受け取って、こころの一部にして帰っていく。

まるで熱病のように浮かされる人もいるかもしれない。
そうやって、どこかに継いでいけるのが、芸術ってものだと思うから。

だから、呼んでくれてありがとう。
……私はきっと、「私」を忘れられたくなかったのね。
ずっと呑み込んできていた「何か」を、存在しないものとして殺されたくなかったのね。

[そうして、視線はまたライトに向かう]

あの"ひかり"の中に、確かに「私」がいるって、今は思ってる。

(463) mile_hitugi 2024/05/27(Mon) 00:23:21