「これで満足か」と花を手向けたくとも、その骸は遥か海の向こうの共同墓地に"その他大勢"として納められ、今となっては展墓へ赴くこともできない。
出題者へ「解」を告げることができない以上、「問」もまた終わることはなく。
どこか地に足のつかぬ心地のまま過ごしていた最中、行方不明事件の話を聞いた。
こんな思いをする人間は、一人でも少ない方がいいだろうから。
……或いは、なにかひとつ遂げることで、客観的な己の価値、としたかったのかもしれないが。
どちらにせよ、自己満足だ。
俺は、そんな取るに足らない自己満足のため劇場へ足を向け――