[私はかつて出会ったあの人に手紙を認めようと机に向かう。しかし、いざ手紙となると何をどんなふうに書くべきなのか…何度も何度も書き出しを書いては便箋を丸め、屑籠へ放る一枚、二枚、三枚…。やがて屑籠が丸まった便箋で一杯になったころ、私は頭を搔いて勢いよく椅子の背もたれに身を預けた。] あ、やば…[勢いをつけすぎてしまったのだろう。持ち上がった足は元の場所に降りることはなくゆっくりと、ゆっくりと背後に傾き…どしん、と倒れ私は強かに背中を打ちつけてしまった。]