[安穏な日々にやがて訪れるであろう終末を知り、惜しむ言葉を飲み込みながら感謝を口にして>>63、その返答を聞きながら>>65。
語って聞かせてくれたこと、守られていたことへの感謝は、勿論心からのもの。
しかし同時に、感情をかみ砕き、嚥下して、なお蟠る。
惜しい。そして、悲しくて、寂しい。
加えて。りの上、仮初としても、シェードで過ごした平穏な日々は愛おしいものだった。
そう、強く思って。]
はぁ。そうか。そうだよな。
[……思って。]
なあ、アインス。
[思ってから、ああ、これこそが「解」だと。]
……死にたくない、な?
[言葉とは裏腹に、声から悲嘆が滲む事は無く。
表情は、荷を降ろした様な、同時に途方に暮れている様な、でも、笑顔で。
語尾が疑問めいたのは、口にしながら、目の前の記者にとってこれが共感に値する感情なのか疑問だったから。]