[ふわりとその場から飛び降りる。 着地音は鳴らない。 柔らかなブラウスが抵抗を受けて膨らむだけだ。 見下ろしていた、から、見上げる形になる。 帽子を取り胸元で抱えた。] …………。 [めったにしない表情をしていた(・・・・)。 黙ったまま、目を細めて笑みを向けるだけの 時間がどれだけあっただろうか。 そう長くはないはずで、長いと思わせればよいだけで、]