あれ──。
なんでここにいたんだっけ。
何処に、行きたかったんだっけ。
僕は何に、なりたかったんだっけ。
[終末を謳った詩が嫌いだった。
それが真に人を救う予言だとしても。
言葉一つ、夢一つに縋る人達。それを縁にして生きる人達が嫌いだった。
身に染み付けられた教義は頭にある。けど、終わりへの感情が希薄になっていて。
どうして大人になりたかったんだっけ/科学者になる為に
どうして科学者になりたかったんだっけ/神様を殺す為に
神様はどうやって殺すんだっけ/世界を終わらせるんだ
終末論から根差した未来論。終わらせる事が生きる事だった、筈なのに。
神の殺害を望んだ心が霧散していって。
信仰だけは残っても、信仰への怒りが沸いてこない。