[深い緑色の飴。
夜の海を思わせるような色。]
なんだろう、これ。
メロン味かな……それにしては、色が濃いような……。
[首を傾げながらも、口に放り込む。
舌の上にゆっくりと広がっていく、馴染みのある味わい。
甘い物が好きでもない自分にも、
それは抵抗なく入ってくるもので――…。]
あ。これ、抹茶かな?
[幼い頃食べていた時は、そんな味はなかった気がする。
そもそも、抹茶味なんて子供向けではない。
でも甘い物を食べ慣れていない自分には、とても有難いもので。
慣れ親しんだ風味と、ほのかな甘み。
一時の休憩だったが、糖分を得て大分元気になれた気がする。]