[みしり、と宮の木扉が歪みを響かせた]
、今、何が聞こえた?
…ちょ、ちょちょ、待って待って
………俺以外誰もいないよね?
[こんな窓もない狭い空間の入り口である木扉がぎしぎしと音を立てているのだ。怖い怖すぎる。心拍音に合わせ息遣いが荒れるのが分かる
儀式とか呪いとか、人が作り出したものな筈なのに
人が手に負えない現象を連れてくるのは反則じゃないのか!
と思いつつも、次第にバタンバタンと相手は閉じる扉に
あーこれは間違いなく心霊現象だと思い当たる冷静な自分もいた
抗う術を持たずに後ろずさりをすれば
お札まみれの壁に背を預ける形になる]