[ヘリコプターの音に顔を上げる。>>195]…………。[ふと思い出したのは、民家での怪異。見えない、触れられない自分に対し、影響を与えた怪異。思い出したのは、失踪直前まで連絡を取り合っていたドクターだ。強い縁があるならば、多少は自分でも見えるかもしれない。彼は、病院でなにか異変があり、あそこまで逃げて――考えたが、今の自分にはなにもできない。夜が明けた今、彼が少しでも安らぐのを祈るのみだ。]*