ー佐田春陽・佐田実家にてー
>>187
[百千鳥さんが私の手を取って、私は自分の家へと帰る。
受け入れられるか不安だったけど、中を伺えば、10年前のあの日の風景が見えたから。
大丈夫、きっと、受け入れられる。]
いこう。
[百千鳥さんの手を握り、私は家の中へと入った。
父と母、白い影が二つ、私たちの帰りを待っていた。]
あさがくるまで、やすんでいていいですよ。
[四人家族であったけれど、そこに椅子が一つ増えていて。
お菓子もお茶も用意されていた。
ちゃんと受け入れられたと感じたから、あとは妹が帰ってくるのを待つだけ。
家の中も薄ぼんやりと明るくなるのを、私は感じていた。]