ーートンネル付近(同行:雉笛さん)
>>211 雉笛
[霧は冷たいものだ。そしてしっとりしている。しかし、脚に絡み付くそれは、そういうレベルではない。氷の塊が足首に張り付いているような]
雉笛さ、助けーー
[情けなく声をあげると彼女がタオルを離し飛んできた。歯を食いしばれ、とはーー意味がわからず従った次の瞬間、視界が上下逆転する。男は彼女に背負い投げをされたのだ。浮遊感の後、地面に背中から落ちる]
うっ!!
[受け身など取れないから痛みが走る。しかし、足首に絡み付いていた霧ーーいや、何かは剥がれた]
……あ、脚が動く!雉笛さん、逃げて…!
[痛みに耐えながら立ち上がり走り出す。どっちに走っているかわからないが、無我夢中に]