……読めない。
[真っ先に目に入った文章は、どこか別の国の言葉なのか、なんなのか、何が書いてあるのか全く分からなかった。
どことなく、不気味さを感じる文字。……けれど、ところどころ、読める所もあるが、意味は分からない。
お父さんのスマホに触らせてもらった事はあるから、少しなら操作出来る。画面を撫でれば、それは動き、別の文章(たすけて、とか、トンネルに来ていますとか)が流れてくる]
……トンネル? ここの、トンネルの事なのかな?
[ここに落ちてるからには、このスマホの持ち主も、ここにいたはずで、なら、トンネルは、ここの、これから行くトンネルの事かもしれない。
そう考えながら、画面を下に流して……入力欄らしき部分を見つける。名前の欄には、「みう」の文字。]
……みうさんのスマホ。って事かなぁ?
[そう呟き、ふと、顔を上げ、……ぴしり、と固まった]
……湖月さん? ……深瀬さん?
[目の前は真っ白で、2人はどこにいるだろう? 少ししか歩いていないはずだから。声は届いてるだろうか。歩いたら、すぐ、見つかるだろうか……?]