[女は、イコマが何故怨霊になったのかを考える。
死んで良い霊になれるかも、と言っていたのに。
自分に対する無力感が限界を超えて、彼を変えてしまったのだろうか?]
嫌になるな。確かに、辛い。
[そう、今の女のような、あるいはもっと強烈な無力感に苛まれたのなら、どうして自分は何もできないのかと自分自身への失望感でおかしくなってしまうものなのかもしれない。
女は考えた。
せいぜいが、行けて役所付近までだろうか?
だが、魂が全て離散すれば、還ることは叶わなくなるだろう。
考えて、やがてぽつりと呟く。]
…大人しく終わった方がいいと思うか?
[終わりたくないから、女は目の前の人ならざるものに問うた。**]