ー村・民家の方面へー
>>185
[声をかけた後、百千鳥さんの反応は、しかし、ほんの少し挙動不審に感じるものだった。
大丈夫と言ってはいるものの、やはり疲れているのかもしれない。
いや、廃村のなか、地震のこともあり、色々と危険はつきまとう。
それに対しての不安が、肉体の疲労ではなく、心労に繋がっているのかもしれなかった。]
大丈夫、とは言えませんが。
人を助けに来た手前、ここで及び腰になるわけにもいきませんからね。
やるべきことを終えたら、ゆっくり休みましょうか。
[私は彼女を少しでも安心させようと、握る手に少しだけ、力を込めた。
未だ、彼女と自分の手は繋がれており、暖かい。
目的地の民家へは、あと少し歩けば。
いや、もうすぐ見えてくる頃だろう。
先の見えない霧の中、道路を歩きながらそう考えた。*]