[何故か彼女がこう言った。男はきょとんとする]
なんで?変なこと言うなあ。というか、眠い…そろそろ寝ない?
[クッションに横たわる。しかし、彼女は秀二のスマホを横取りしてじっと見ている]
『星捨村ツアー…なんて』
[聴いているうちにうとうとしてきた。男の目蓋が落ちる]
『あそこだけは駄目だよ。だって私は子供の頃、あそこに住んでいたの、山で、とても怖い体験をしたのよ。霧に巻き込まれて、それでーー』>>50
ごめん、眠い。起きたらね…
[意識が遠退いた。男は話を最後まで聞かずに寝てしまった。
彼女が元恋人になったのは、その直後ーー]