ー避難所から村へー
[百千鳥さんと手を繋ぎ、来た道を引き返す。
辺りには霧が立ち込めており、ライトで照らしても、数歩先しか見えないような状態だ。
荒れた山道を歩き、獣避けの鈴を鳴らしながら、十数分。
霧はどんどんと濃くなってくる。
それでも恐怖はなかった、さらに歩けば開けた道へと出る。
もうすぐ村だ、行きに比べて、帰りは大分早いように感じられた。]
もうすぐ村です。
目的の場所まではもう少し歩きますが、そんなに遠くはないので。
疲れていませんか?
ああ、そうだ。私の実家もすぐ近くなんです。
流石に今から行くことはできませんが、明日の朝に行くのもいいかもしれません。約束ですからね。
[そんなことを話しながら、傍らを歩く百千鳥さんの様子を伺った。*]