[不安な気持ちは、焦りの気持ちは。
春陽さんが同じように望むとは限らない、ということ。
分かっていた。会って間もないわたしのことを春陽さんが好きになるわけないと思っていた。わたしは春陽さんが好きなのは間違いなくとも、春陽さんがそれを望まなければ一緒に居る事は叶わない。
分かっていた。だけどそれを望まなければ、何も始まらない。
その結果、断られても良かった。
きっとわたしは泣くけれども。
人を好きになれた事が嬉しかった。
人を好きになれた事が幸せだったから。
何のためにわたしは生きてきたのか。
きっとこの時の為な気さえしたから。
始めから後ろ向きなわたしは全然勇気もなくて、そんな風に思っても未練が残る気はしたけど。
春陽さんの返事を待つ一瞬は、永遠にも近い時を感じた。*]