[湖月の言葉>>129には、数度瞳を瞬かせる。]
嫌だったり、気持ち悪いって……
そんなこと、思うわけないじゃないか。
[最初は不思議だったけど、ストーカーみたいなファンの可能性と言われれば、ああなるほどと彼女が懸念している内容がようやく理解できたのだった。]
ストーカー、かぁ。
それは確かに困るけど……でも、作品を読んでくれる
相手なら、素直に嬉しいと思うよ。
[彼女は知っているだろうか。
デビュー作「死斑」が大ヒットしてしまったがばかりに、
その後の作品が通常のセールスだとしてもファンや出版社からは物足りないと思われていることに。
そう、一作目がヒットしたなら、続く作品も
同じようなメディア展開が期待されてしまう。
しかし――…一作目の映画監督が完成直後に謎の失踪を遂げたとあって、二度と映画化の話は舞い込んではこなかった。]