>>111[振り向いた時、百千鳥は怖かった。
しかし春陽が声を出した事にその緊張が解け、力が抜けた。
まるでこの人が今一瞬、化け物に見えた。
流石に本人には言えないが汗が吹き出している。
心臓がドキドキする。]
……行きましょう。
避難施設なら一夜を明かすのにちょうど良いですね。
[平静さを装い、頑張れますか?と聞かれたのに頷き、しかし次の言葉に驚いて。]
…へ?
[違う違う、この心臓の動きは怖かったからで…。何を狼狽えているのだねわたしよ。
ああ、不意をつかれた提案に驚いただけで。手を繋ぐ?人間と?顔を赤くして百千鳥はバグっている。]
…は、はぐれたらまずいですから、ね……。
[そう、理由があるから仕方がない。そう自分に言い聞かせて手を繋ぐことにした。最初はおどおどと。]