>>102
[山道を登り、さほど経たないうちに、分かれ道に出る。
一つはこのまま山頂の方へと向かう道。
道幅も広く、整備されていない今であっても、草や枯れ木に埋まることなく、ゆるやかに続いている。
もう一つは、その道から逸れるようにして続く荒れた道。
道幅はそんなに広くなく、動物避けの柵や、辛うじて整備されていた山道の跡が伺える。
私は、そんな荒れた道の方へと足を踏み入れる。
道に沿うようにして、手摺のように設置されている柱には、獣避けの鈴がついている。
それを鳴らしながら先に進む、そんなに目的地は遠くないはずだ。
足を進めていると、霧が出てきた>>104
そして声が聞こえる。いや、前から聞こえていたのに気づかなかったのか。]