大学生 籠宮　湖月

[6歳の時に、両親を事故で亡くした。

祖父母の所に行く予定だった私を、当時22歳で社会人になったばかりの歳の離れた兄が、引き取って育ててくれた。]

[兄が28歳、私が12歳の時。
兄が結婚して、奥さんの実家がある星捨村に住む事になった。
私も一緒に、と兄と義姉になった人は言ってくれたけれど。
それまで私のために苦労した兄の幸せの邪魔をしたくなくて、別れの日、笑顔で見送った。
私ももう中学生だから大丈夫だよって。
友達とも別れたくないし、なんて嘘を言って。
祖父母の元へ行った。]

[それから間もなく起きた、集団失踪。
村は閉鎖されて。
どれだけ調べても、憶測ばかりで真実は分からないまま。]