[初めて女性と付き合ったのは、大学に入ってから。本気だった。まだ働いてもいないくせに、結婚まで考えた。でも、あっさり振られてしまった。小説を書くのが趣味なんて暗い人とは、一緒にいられない。他に好きな人が出来たから。そんな、呆気ない終わり方……なら、良かったのに。実際は、書いていた小説が大ヒットした途端、彼女の方からよりを戻したいと言ってきた。ああ、恋愛なんてこんなものなんだ……そう知ってしまった、苦い思い出。]