[連絡先交換>>68に、ぱちりと瞬く。]
――……あ、はい。
[鞄の中から、モバイルバッテリーに差していたスマホを取り出す。
電源ボタンを長押ししてみたら、反応があって、小さく安堵したけれど。
立ち上げた画面に映ったのは、真っ赤な血に濡れた、女性の――。]
[カツン、と。
取り落としたスマホは床に落ちて。
震える手で画面を取り上げると、そこには元の風景の壁紙。
手はまだ、震えていて、上手く操作できなかったけれど。
LINEを交換するのなら、その前に、言っておかないといけない事がある。]
あの……。
……私、深瀬さんの本、全部読んでるんです。
気持ち悪かったら、この村を出たら、ちゃんと消しますので。
[読者とLINEを交換するなんて、嫌かもと思ったら、黙っているのは躊躇われて。
それならば消すと、あくまで村内での情報交換に使用する旨を、約束しておく。]