― 少し前/保健室で ―[あーん、と差し出されたクッキーに、ぱちりと瞬き。誘われるように、クッキーをぱくり]……美味しい[さくりと、舌に広がる優しい甘さと、何よりもその、甘やかしてくれるかのような行為に、ふにゃりと笑みが浮かんだ。その時――「ずるいなぁ」小さな声が、聞こえた気がして、パッと振り返る。当然、そこには何もなく。気のせいかな、と思ったのだけれど]