──神社から避難所への道──
[>>20>>29他者への興味を失った君の横顔を眺める。白染む空の朧げな気配が輪郭を象っていた。
「宵」と呼ばれる者が弔った境内に横たわる女の遺体を跨ぎ、無垢なる闇に塗り潰された君の瞳に映るのは生者の命(光)と男だけ。その狂気を味わえるのはなんという至福だろうか。]
死んでくれて、ありがとう
という意味だよ。
[残念ながら絶望に染まらなかったのか、正しい人の神に攫われたのか。「女の虚無を取り込む事は叶わなかったけれどね。」と男は残念そうに、君へ根付く虚に甘えるようにして背後からその肩に両腕を回す。>>29
日が登り始める前の気配を察してその身体に潜んだ。]