ー佐田春夜・神社敷地内にてー
>>+67
[女は苦笑してから言葉を紡ぐ。]
気を遣っていると気づいているなら、それに言及しないのが思いやりというものだよ。
…ああ、そうだ。私はずっといた。
この場を去るには、些か猶予が足りなかったな。
[社務所の扉に背を預け、話す。
この雉笛という女性は竹を割ったような性格をしていて、話しやすいんだか、話しにくいんだか、判然としなかった。
ただ、わざわざ言及しなくてもいいところに言及してきたのは、さて。
以前も自身の死のタイミングについて聞いてきたから、何か言いたいというよりは、ただ気になって聞いたのかもしれないと、女はそう考えを巡らせていた。*]