…はやく帰りなさい。
自分はどうなってもいいなどと言うものではない。
自分を大切にしない人間の命と、自分の大切な人の命が釣り合うなどと思わないことだ。
命を大切にしない人間には、何かを救うことなどできない。
自分を大切にしなさい。それが春陽の願いだと、君も分かっているんだろう。
[そう言って、手を引いた。そして、どこかへ。人のいる場所へ。
公園の近くへと時空をねじ曲げた。
そして、手を離す。]
望まれていないということはないよ、春陽には必要がないというだけで。
もっと周りを見るといい、君にはその力があるのだから。
[春陽もそう言っていた、だからそうなのだろうと思う。
彼女には生きてもらわなくては、この周辺ならば、誰かと会うこともあるだろう。**]