大魔王 ノエル

― 審判の扉 ―

「勇断せし者は、貴殿に勝利を得た」
「意思の力が、星の誕生（スター・バース）より星の誕生（スター・ハント）が勝ったのだ」
「よって、エアハート。彼が星であり、貴殿は魔である。」


「だが、星は望んだ」

「星は、一人残らず救うと誓った」

大魔王 ノエル

「もし彼の者が役目を果たさなかった場合」

「その時は、ノエル。貴殿"も"裁きを。」

「星はこれより、全ての者に等しく輝きを放つだろう」

大魔王 ノエル

[>>1:169木槌の音。]

[>>1:171嗄れた声。]


　「星はこれより、全ての者に等しく*輝き*を放つ」


「ノエル、貴殿には星と共に生きる意思はあるか？」**

大魔王 ノエル

― 地上 ―
[暗雲立ち込めていた世界に太陽が昇り、

>>5[彩り鮮やかな虹が全てを覆う。]


[勇者の友は多くいるけれど、
>>8>>9「相棒」は違いなく貴方であると。

>>1:147天馬の灰は、力の抜けた勇者の手から、
鎧と、衣服をするりと奪いさる。
天馬にとっては、魔王も旧き友であったのだ。
少なくとも敵対していた者たちよりも、親愛を込めて。]

大魔王 ノエル

[灰が、鎧を優しく覆い、入りこむ。
天馬としての役目を終え虹の力を得た粒子は、

　　　　　　きらり、きらり。
小さな星のように瞬いて。


星としての役目を終えた魔の力が全て消え去り、
浄化されて上空に昇っていくものとは違う光が、
空中で留まり、ひとつの「個」となる。

光に気がついて、見上げる事があろう事があれば。
もしくは全てが崩れきり、何も無くなった地表の上に。

地にゆっくりと落ちていくひとつの身体を見つけることが、
出来るかもしれない。

>>33
知る知らない以前に、意思も魂のない脱殻で。
身体の冷たい人形、或いは遺体にしか見えないが。]

大魔王 ノエル

[それでも、ノエルという肉体の「個」は。
この地上にいることを、許されたのだ。]**

大魔王 ノエル

　― 未明：魔王城跡地 ―

[「元」魔王の遺体は。

生き残った魔族の力か。
場に残り続ける虹の力か。
ほぼ朽ちる事なく、眠り続けている。

荒れ果てた地に、緑が宿り。
異質な速さで、木々が茂る。

実りを迎え、重く垂れ下がる七竈の花が、
>>1:159 誰かの手によって枝を手折る事なく、
静かに、遺体を見守っている。]**