自動人形 ブリジット

―　癒し・そして帰還　―

[癒しの力はエアハートたちではなく
しんがりを務め、一人ステージで
戦い続けるロザリンドにも。>>35
それ以外の仲間たちにも勿論降り注ぐ。
残念ながらピギーを救ってあげることは出来なかっただろうが…。>>0

側についていていくれるイルムヒルトの手を
ぎゅうっと握りしめながら耐え。

魔力を全て魔導砲に注いだせいで
稼働に回されるエネルギーがなくなり
身体が動かなくなって
やがて視界が朦朧として来ても
暫くの間、まだかろうじて意識だけは残っていた。


………音がする。>>15]

自動人形 ブリジット

[温かく綺麗なオルゴールの音色。
音と共に感じる、星狩りの力。

目が見えなくなっていても分かった。
リベリオが約束を果たしてくれたことが。>>19]

（…………アア、届いたのデスネ…）

[虹の粒子が地を包み、天へと昇っていく。>>43
その中にひとつ、ひとがたを形作るものが
ぼんやりと霞む視界の中に見えた。]

自動人形 ブリジット

[浄化の力は魔王城に満ちた。
それは同時に、エアハートとの約束を果たしたことを意味する。>>1:16
つまり、自分の役目は終わったのだ。

星狩りの神器たちと同じように、
役目を終えた道具は眠りにつくだけ。

イルムヒルトの掛け声>>41をどこか遠くに聞きながら
安堵したように、口元に小さく笑みを浮かべて。]

自動人形 ブリジット

　　 ………オカエリ、ナサイ………

自動人形 ブリジット

[―――そうして、
今度こそ人形は、完全に意識を手放した。*]

自動人形 ブリジット

―　現在：飛空艇　―

[人形は完全に力を使い切って停止している。

その目には何も見えておらず、
話しかけられても答えることはないだろう。>>51>>52

――――ただ、イルムヒルトが
ありったけの回復薬を注いでくれたおかげか。
あるいは個として最後まで存在し、生を願われた人形への、癒しの恩恵の一欠けらか。
奇跡的に核の部分までは壊れずに済んだ。

内部に虹彩の力はもはや残っていないが。
もし何らかの方法で
代わりの動力を充填することができたなら。
また動き出すこともありうるかもしれない。**]

通称勇者 エアハート

― 飛空艇の甲板にて ―
[虹の光が、遠く遠く、離れていく。
生まれかけの星が、瓦礫の中で浄化されていく。

僕は、…その時僕は一人だったから。
朝日よりもずっとずっと、虹が鮮やかで綺麗だと思った。
魔王城だって、立派なお城で…。
誰かが住んでいた「家」だったんだよね？

>>0:267あの時。
僕と同じように、その場で生きる皆の事を考えて、
彼らにも同じ気持ちがあるって理解しているんだと知った僕は。
この綺麗だと思った気持ちを。
君がそばにいれば…共有、できたのかな。]

通称勇者 エアハート

[そうしたかったのに、出来ないのは。
こみ上げる悲しさを止める事ができないのは。
>>33 飛空艇のどこを探しても、君が居ないからなんだ。]

　っ、ヒ、　っく……っ、

[嗚咽が小さく溢れてしまう。
でも僕は…。君があの場で死ぬとは微塵も思ってない。
ブリジットの力が君に降り注いで居ないはずがない。

君がどんな立場であって、どんな気持ちでいようと。
「僕たちの仲間」であることは、変わらないんだ。

ぐし、と。腕で溢れかけた涙を拭う。
それから甲板の柵に手をかけて、息を大きく吸って。]

通称勇者 エアハート

　ビアンカ！！

　人の気持ちも、魔族の気持ちも、今バラバラなんだ！
　星はこれから…これから一つにならなきゃいけないんだ！！
　
　ビアンカ、もっともっと教えてよ！！
　魔族の気持ちと、ビアンカの気持ちも！！
　だって、親も友達も最初からいなかった僕にとって、
　僕にとって、仲間は、家族なんだ！！
　
　だから、戻ってきてよ！！
　ビアンカーーー！！！！！

通称勇者 エアハート

[星狩りの力も頼れない。
父の友達（ミシェル）も、もういない。

君までいなくなってしまったら…結局。
本当の親か、家族を天秤にかけたことになってしまうんだ。

そんなことはさせないというのが、僕のこの戦いの意思だ。
今、君の意思はどこにあるのだろう？]**

大魔王 ノエル

　― 未明：魔王城跡地 ―

[「元」魔王の遺体は。

生き残った魔族の力か。
場に残り続ける虹の力か。
ほぼ朽ちる事なく、眠り続けている。

荒れ果てた地に、緑が宿り。
異質な速さで、木々が茂る。

実りを迎え、重く垂れ下がる七竈の花が、
>>1:159 誰かの手によって枝を手折る事なく、
静かに、遺体を見守っている。]**

通称勇者 エアハート

[目覚めてすぐに、わかっていた。
>>17 胸元にかけた、小さくも重たい飾りがないことに。

だから、他の仲間を、探して呼んで。
そうしている間にもずっとずっと、考えてたのに。
守ってくれている筈の君がどこにも居ないなんて、
それが一番、信じられなかった。

>>1:137だって。だって君だってそこにいたでしょう？
その視線を追いかける余裕が僕にもなかったけど。
あの場で、君が居なくなるタイミングなんて無かったでしょう？]

通称勇者 エアハート

[目覚めてすぐに、わかっていた。
>>19 僕のベッドの側で鳴り続ける小さな音楽に。

胸飾りの代わりにそれを握りしめながら。
ずっとずっと君を探していても。
君の「目印」になるものは、どこにもなくて。

僕だけでは絶対に救えなかった。
父を救う代償に、君が何処かへ連れて行かれる所だった。

>>26>>30>>31>>62
――…仲間の力がなければ。
運命はきっと、彼を父の代わりに連れて行ったんだろう。
そう思うと、顔が青褪めるのが抑えられなくなる。

「歴史」が歪んだ結果…。
…君は、僕の隣の個室で眠っているだけと知ったのは。
皆に声を掛けに駆け回った、その最後だった。]

通称勇者 エアハート

― 飛空艇の個室 ―
[バンッ、と扉を大きくあける。
廊下の遠くで、船員さんに、いくつドア壊したら気が済むんだ！
って叱られて。ごめんなさい！って言ったあと。

>>40 治癒魔法の他に、適切な治療を受けた後。
半ば無理矢理にでもベッドに寝かされてたんじゃないかな。

その姿を見て、静かにベッドに歩いていって…。

君の姿をきちんと両目に捉えて、ヘタリ、と膝から崩れる。]