魔法剣士 リベリオ

　　俺、言ったよな
　　魔王は親の仇だって

　　ここまで来て
　　ここまで来たのに

　　俺に親の仇を取らせてくれないのか
　　そんなこと……

　　俺自身が一番許せねぇんだよ

　

魔法剣士 リベリオ

［　ここで彼女が鞭を放してくれるのなら
　　強硬手段なんてとらねぇよ。

　　だがビアンカと俺の
　　見ている先が違っていた。
　　そして俺も強情なんだわ。

　　だから俺の取る手段は一つだ。　］

　

魔法剣士 リベリオ

　　炎帝の炎よ、
　　全てを焼き尽くす終焉を呼びて
　　我が願いを叶え
　　この世界に降臨せよ

　

魔法剣士 リベリオ

［　俺が魔法剣士であることを忘れているのなら
　　思い出させてやろう。

　　突如始まる詠唱
　　これを止めなければ
　　俺はその魔王の居るドアに向かって
　　ぶっ放すぜ？
　　
　　だが俺は生半可な止め方では
　　詠唱を辞めない
　　それこそアンタの相棒に喉を掻っ切られる
　　くらいじゃねぇとな。　］
　

魔法剣士 リベリオ

［　とはいえ、魔王のいる部屋の扉だ。
　　一撃魔法を放ったところで
　　壊せるかどうか。
　
　　その前に、扉の近くは危険だから
　　他の奴らは離れていろよな。　］

　

魔法剣士 リベリオ

［　さあ、どうする
　　動いた針はもう戻ることはない
　　進んだ時は刻み続けるだけ

　　お前は今、なにを信じている？　］*

　

獣使い ビアンカ

―　決戦前夜：リベリオの部屋前　―

［引っぱたこうとしたらあっさりと阻止されてしまい、少しばかり悔しい思いはしたのだが。
　>>65得られた答えに、胸の奥を突かれた。

　ビアンカはやっとこのとき初めて気付いたのだ。
　悩んでいたことも、それが明日のことだということも、彼に伝わっていたことに。
　それがあんまりにも衝撃的で、問いを重ねられようもなかった。

　そしてもう一つの問いの答えは、直接の答えではないようにも思えるのだが。>>66>>67
　ビアンカにとっては、これこそが一番聞きたい答えだった気がした］


　　……遅くにありがと、リオ。
　　また明日ね。おやすみ。


［何だか照れ臭くて、あまり多くの答えを返せなかったが。
　リベリオの答えは、既に決まったビアンカの心をより固いものにした］*

獣使い ビアンカ

─　回想：決戦前夜・自室　─

［リベリオとも語り終えた後、自室に戻ったビアンカは、そこで待っていたネビを抱き締めた］


　　ねえ、ネビ。
　　あんたは、あたしが魔王軍を捨てても
　　あたしについてきてくれるの？


［ネビはごろごろと喉を鳴らし、心配するなと言いたげにビアンカの頬を舐めた。
　彼女の所属もまた魔王軍ではあるが、それ以前に、彼女はビアンカの相棒なのだ］

獣使い ビアンカ

［悩みの解決を魔王軍でなく勇者たちに求めた時点で、ビアンカの心は決まっていたのだ。
　心は既に勇者一行の元に在った。

　一方的に与えられた“正しさ”を信じ続けた時は終わり、自分の目で見い出したものを信じたくなった。

　それでもビアンカにとって魔王軍は家族だ。それはどう頑張ったって変えられない思いだった。
　だから必死に考えたのだ。“欲張って総取り”する術を。>>0:217

　勇者と魔王の正義のぶつかり合いを邪魔せず、決着がついたらできるだけ多くの仲間と家族（魔王軍）を城から脱出させる。
　それがビアンカの出した答えで、ビアンカが正しいと信じたい道。>>0:46
　“自分自身を”信じられる道なのだ>>0:123］*

獣使い ビアンカ

―　決戦の日：魔王の間の手前　―

［捕らえたリベリオが語る思いを、ビアンカは茶々を入れずに聞いた。

　“親の仇を討ちたい”>>72
　その思いの強さはビアンカにだって想像することができる。
　魔王軍を家族と思いながら、魔王軍と戦い続ける勇者一行と旅をしてきたのだから。

　彼の魔法の詠唱を、暴力で止める気はビアンカにはなかった。
　もしそれを放つなら、扉がどうなろうとも魔王との開戦の合図になるだろう］

獣使い ビアンカ

　
　　困るのよ。回復魔法の使い手（・・・・・・・・）が全員そこに入るのは。

　　ねえリオ、あたしとデートしない？
　　あたし、ローズのステージがあんたと一緒に（・・・）見たいの。


［自称勘のいい男は>>0:182、ここまで言えば気付くだろうか？
　ビアンカが今考えているのは、殿を任せたローズのことだ。>>61
　ヴィムが援軍を残し>>18、リベリオがバフをかけたが>>37、それでどこまで一人で戦えるのだろうか。

　勇者を魔王の眼前まで届けたなら、次にすべきなのは、離ればなれの仲間を助けに行くこと。
　ビアンカもネビも魔法は使えない。ローズの元へ戻ったところでできることには限界がある。だが、リベリオがいれば話が変わるのだ］

獣使い ビアンカ

　
　　それともあんたは、
　　友達を信じて思いを託すこともできない男なの？


［最後に煽り文句をひとつ。
　親の仇が魔王なのなら、そこにいる勇者が必ず討ってくれるはず。
　旅の途中で出会ったただの仲間でしかないビアンカをそこまで信じられるリベリオが>>67、エアハートを信じられないはずがない。ビアンカはそう思っているのだ］**

自動人形 ブリジット

―　魔王が倒れた直後　―

ぐ、……ッ　
もう、ここは長くは持ちマセン―――

[エアハートの一撃が魔王を貫いた直後>>1
魔王城は崩落を始めた。>>41
生きとし生ける者を全てのみ込もうとする勢いで。

イルムヒルトが飛空艇をつけてくれる。
その場にいた皆も船に乗り込んだ時だろうか、
崩れ落ちていくノエルを見たまま、
動かないエアハートに焦ったように振り向く。]

……エアハート様ッ！？早く――――

[手を伸ばす。
けれど。彼を掴むことが出来ず。
ノエルの残滓ごと、エアハートは宙に投げ出されていく。>>42]

自動人形 ブリジット

―――エアハート様！！！！


[咄嗟に追おうとした自身を止めてくれたのは誰だったか。

揺れる飛空艇に乗りながら
呆然とその方向を見つめ、
ぐ、と拳を握りしめた。

彼が決戦前夜に語った言葉。
魔王に、人の心があるのなら。
伝える限りを伝えたいと。>>45
ならば、自分も彼に語った通り、出来ることをする。

彼の願いを叶えるために。
何より、大事なヒトを失わないために。]

自動人形 ブリジット

…………お願いがありマス。


[意を決したようにくるり、と振り向いて。
その瞳が捉えるのはイルムヒルトの方。]

自動人形 ブリジット

ワタクシの―――虹彩の力を。
全て注ぎ込んだ魔導砲を
打ち込んで欲しいのです。

癒しの力を全て注ぎ、
魔王城に今渦巻く星の力を浄化する。

そうすれば、まだ。
エアハート様は助かるかもしれマセン…！

[それは、かつての彼女との実践で気付いたことだ。
魔導砲と虹彩の力。駆け合わせれば、莫大な力になりうる。>>0:156
星を狩る力ではなく、星を癒す力に。

飲み込まれてしまったエアハートだけではなく、
もしかしたら…魔王ノエルに、
僅かでも人の心が残っているのなら。
それすらも浄化できるかもしれない。>>46
そんな、一縷の可能性に賭けて。]

自動人形 ブリジット

お願いしマス。力を貨してクダサイ。
…ワタクシが倒れても、止めないで。


[力を全て注ぎ込んだ後、
自分がどうなるかは分からないけれど。
それでも構わない。

星狩りの力を持たない人形。
ヒトの為に生まれた存在。
きっと、自分はこの時のために生まれてきた。**]

通称勇者 エアハート

― 最終決戦：序・螺旋の間 ―

　ヤァーーッ！！

[ぐるぐると伸びる階段が織りなす塔。
宙に浮かぶ魔王城の入り口で、
さらにいきなり、上に登られる事を強いられる。

物影に隠れていた魔物たちは、
いままで出会った動物の異形やゴーストよりも、
どこだか異質で、不定形な存在が多かった。

それこそ…剣についた元の刃で肉を裂くというよりかは。
剣にまとった星狩りの力（スター・ハント）が触れて、光の泡になって弾けていく。

ヒヒィン、と嘶くミケが体当たりをすれば、
僕一人だけなら、階段を使わずとも上に上にと登っていける。]