[リベリオは剣舞に長け、魔法も扱う。
だが魔王軍が外からエアハート一行を見ているだけなら、リベリオを脅威とは見做さなかっただろう。
リベリオが弱く見えるわけではない。魔王軍視点では他にもっと厄介な連中がいるのだ。エアハート本人も含めて。
だが、ビアンカは彼を脅威と見做した。
最も警戒せねばならない相手だと。
もし不意をついてエアハートを攻撃しようとして、リベリオが身を挺して彼を守ったとするなら、その一瞬の間にロザリンドとブリジットのバフが畳み掛けられるのは目に見えている。魔王相手ならアルノの力まで加わるのは想像に難くない。
ならリベリオを先に葬れば良いのか。それも手損という意味では同じだ。
自分と魔王が共に戦うのであっても苦戦を免れえなくするであろう、あってはならない“厄介な盾”──長い旅を経て、ビアンカはリベリオをそう認識するに至っていた]