そう。じゃああたし独りで行く。[リベリオの腕に絡めた鞭を解く。 その弾みに痛みが走るかもしれないが一瞬のことだし、彼ならすぐに癒せるだろう。 問答する時間が惜しかった。 ビアンカは知っているのだ。魔王軍の勇者一行への敵意を。 ここはビアンカが育った家でもあり、勇者一行を生かして返す気のない要塞でもある。 ビアンカだってローズを信じていないわけではない。 ただ安否を確かめたかったのだ。 万が一にも失いたくない人たちのひとりだったから]