いつぞやは悪ぃかったな。
[離婚の話が初耳と言うなら、彼女の中では自分と嫁のイメージは店先の喧嘩ということになろう。>>15
当時から既に嫁の不興を買っていた自分が最後通牒を突き付けられたのはあの後まもなくだった。
余所様の店先で恥ずかしいことになるのはもうない筈。
詫びを入れるのは此方の方だと眉を下げるが、お祭りムードにしんみりしたい訳ではないので声のトーンはあくまで下げず。
折角のおでんから出る湯気が冷めない内に、テントの中のベンチの一角に邪魔することにする。
テントの外では他の音に紛れて気づかなかったが、中に流れているのは自分にとって馴染みが深いサウンドだ。>>46
まだ他に客がいないのを良いことに鼻歌を口遊む。
そういえばもう随分カラオケにも行ってないな、と思いつつ。]