74 【完全RP村】明日星町フードフェスタ
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観光客 シャロン・F
― ２日目 ―
やっぱり遅かったか…
［朝も8時半を周ろうかという頃。
今日はリュックに荷物を詰め、ウルトラライトダウンを羽織って朝の漁港に向かった。
まだ朝の寒さは残っていたが、残念ながら朝の市場は既に終わっていたようだ。
昨日早く帰ったのはこのためもあったのだが、おなかも膨れたせいか、想像以上によく眠ってしまったのだ。
ただ、しかしである。
昨日も漁港の駐車場にあった大型テントから、人の気配と湯気の気配がする。
これはどうやら、食べ物が売っている…
近づいていくと、テントの端に値札の紙が並べて貼ってあり、予感は確信へと変わった。］
観光客 シャロン・F
おはようございます。
［店員らしきおばちゃんに声を掛けつつ、テントの中を見回す。
どうやらみな一様に湯気の上がる大き目の椀に入った汁物を手に持っているようだ。
おばちゃんが今はこれだよ、と大きな鍋をお玉で指した。
なるほど、値札の紙はたくさんあったが、朝は丼ものはやっていないらしい。］
じゃあ、それ下さい。
［声をかけて、お金を払い、熱々のそれが椀に注がれるのを見つめる。
具だくさんな魚のあら汁が、ほかほかの湯気を纏って提供された。］
これは…匂いも湯気も、たまらないね。
［両方とも、少し冷えた身にじんわり沁みる。
ご自由にと書かれたトレーから小口切りされた長ネギをそれなりにたっぷり乗せ、そして七味を少し振って、席に着く。
魚も野菜も味噌もよし。今日の朝ごはんは、栄養たっぷりだ。
早速割り箸を割ってネギと煮えた大根を一緒に口に運べば、口からも白い湯気が出そうな温かさだった。］
観光客 シャロン・F
［さて、情報収集も欠かさない。
まあ、こういう所に行って、日本語が話せる風をそれなりに見せながら手持無沙汰にしていると、誰かが話しかけてくれることが多いのだが…
と悪い思惑を持っていたそこにちょうど愛想の良さそうなおじさんが話かけて来てくれた。
今日は魚を食べようと思う旨伝えると、喜んで商店街付近の幾つかの店を挙げてくる。
すると周りのおじさんたちもフードフェスタの話かい、と乗ってくる。
あそこはいきなり観光客が行くのも大変かも、あそこはフェスタに出店してるから逆に夜営業この期間やらないんじゃなかったか、等々、盛り上がる彼らはどうやら港関係で働く地元の人々のようだ。
リュックの中から紙と鉛筆を取り出して、彼らに渡すと、いくつかの店名と電話番号などを書いてくれた。
ちょうどあら汁も食べ終わる。］
皆さんは、この辺のお店に魚を卸してるんですか？
お店に行ったら、ここで皆さんが獲ったり卸したりしてる魚を食べられるんでしょうか…
［最後に聞くと、話に入ってきた皆がそう！と声を合わせた。
嬉しいのと楽しみなので、こっちも笑って親指を立てて答えた。］
観光客 シャロン・F
［さて、夕飯の大体の目星はついた。
今日は昼間はあまり食べずにお腹を休めておくとするか…
一旦小休止。
つまりスーパーな銭湯だ。
今日はちゃんとお風呂セットもリュックに入っている。
体制は万全だ。
期待していないと言っておきながら、『天然』の文字も気になるところである。
けれどもその前に、あのフードフェスタ本拠地の商店街にも一度寄ってみよう。
昨日のうどん体験的な、何か面白いこともやっているかもしれない。
しかし食べ過ぎは禁物だぞ…
そう心に誓って、商店街の方へと昨日辿った小さな川を沿って歩き出した。］**
観光客 シャロン・F
― 商店街 ―
［フードフェスタは２日目の今日もかなりの盛り上がりだ。
まだ昼までには少し時間があるのにもかかわらず、大分人出がある。
そして気が付けばその人出もまた一つの方向に向かって動いていた。
思わず流れに乗って着いて行くと、何やら流れは元来た駅の近くの方へと向かっている。
泊まっていたホテルは逆方面の出口側にあったため、この辺りは朝は通らなかったのだが…］
これは…
我ながら英断だったな。
［人の集うその先では、様々な燻製が少しずつ小さな発泡スチロールの取り皿に乗せられて、無料配布されていた。
燻製はかなりの量がありそうだが、それでも温泉に入ってのんびり夕方に来ているようでは確実に配布終了していただろう。
早速並べられた燻製に近づいていく。
既に燻製され終わったものが並んでいるのだが、それでもここまで近くに来ると、香り高い煙の香りが辺りを微かに覆っている。
どうやらさらに、「燻製手作り体験」が出来る様なのだが…］
観光客 シャロン・F
自重、
日本に来た当初に憶えた言葉だろう。
［自らを諭すように独り言つ。
幾ら美味しいものでも、タイミングと言うものがあるのだ。
同じものを一気に大量に食べたあの日、一人旅なのに大量に生ものを買い漁ってしまったあの日のことを思い出すのだ。
自分の腹具合を知るのだ。
昼間は自重するんだ…！
思わずくっ、という呻き声が口から洩れる。
さっとうずらの卵が２つ乗った皿を取ると、あとは振り返らずにその場を立ち去った。
俯いて歩きながら、つまようじでうずらの卵を刺すと、口に運ぶ。
白身がよく燻されていて、口の中に香りが広がっていった。］*
観光客 シャロン・F
ふむ…
驚かされるね。
［スーパーな銭湯に入った感想だ。
ここの銭湯は平屋建てで、そこまで大きな建物ではない。
今まで見た中で言えば、真にスーパーなスーパー銭湯と、町の銭湯のちょうど中間くらいの規模の銭湯だ。
それでもテーブルの並んだ食事処や畳の休憩処はしっかりあり、半日は十分寛げそうである。
さらに、ここの「天然」がちゃんと「天然」だったのだ。
じゃばじゃばと源泉かけ流し…とまでは行かないが、湯は中々にしっかりとした温泉感がある。
海の近くだからといってしょっぱそう一辺倒なお湯でもなく、何とはなしの滑らかさがある。
内湯の後、露天風呂の湯に身体を付けながら、その感覚に思わず感嘆の言葉を洩らした。］
観光客 シャロン・F
［さらにスーパーなスーパー銭湯でない事が逆に功を奏してか、漫画などが置いてあるわけでもないこの銭湯は、本当にほどほどな込み具合であった。
それなりの住宅街の中にあるため景色は望むべくもないが、それでも露天風呂の岩に寄りかかって上を見上げれば、今日も天気は良く、青い空が広がっていた。
ぼんやりと空を見上げた後、ふうと満足の息を吐いて目を閉じた。
さあ、次はサウナに入ろうか。
ちゃんとテレビがあるのもチェック済みだ。
テレビは見ていて意味が分からなくなってしまう時もあるが、ある程度ゆっくりと喋る刑事ドラマやニュースなら全然わからないということはない。
今の時間、どちらかがやっているのを期待しよう。］
観光客 シャロン・F
で、ここでもフェスタ。
嬉しいね。
［風呂を存分に堪能した後、休憩所に行こうとしたときに、廊下に立て看板を発見する。
『明日星町フードフェスタ開催記念！３日間限定！アイス無料！』
立て看板の近くには、無料のウォーターサーバーと、冷凍ショーケースが置いてある。
早速冷凍ショーケースを覗くと、中には銀紙に包まれた四角いアイスバーが沢山入っていた。
これは必要なカロリー摂取だ。
ケースの蓋を開け、白い冷気が漏れ出す中、アイスを一本取り出す。
早速銀紙を剥がして、ショーケースの横のごみ箱に捨てると、出てきたバニラのアイスを口に咥えた。そして、すぐに齧った。
朝のあら汁とは全く真逆。
温まった身体から、白い霜になりそうな冷たい吐息が軽く漏れ出す。
何より甘くて、美味しかった。］*
観光客 シャロン・Fは、 お店切り盛り ガンバリ君 を投票先に選びました。
観光客 シャロン・F
― ２日目夜 ―
さて…
ここが良さそう、だね。
［スーパーな銭湯の畳の休憩室でのんびり眠ってしまった後、銭湯を退館する頃には既に辺りは夕暮れの気配だった。
計算通り、である。
いや、本当はもっと早くに銭湯を出て街歩きなども考えていたのだが、ぐっすり眠ってしまった…
ともかく朝漁港で入手したメモを片手に再び向かったのは商店街の方向である。
そして、商店街の大通り付近にあるメモに書かれた５軒程度を周って、込み具合や外に出ている看板などから値段を確認しつつ、ここだな、という一軒に目を付ける。
早速、扉を横に引いて、カウンターも入れれば20人くらいは入れそうか、という小奇麗な居酒屋に入って行った。］
観光客 シャロン・F
一人です。
あ、テーブルいいんですか。すみません。
［お店の人は一瞬外国人の登場にびっくりした様子を見せたが、こちらが日本語の話せる様子を見せれば笑って席を案内してくれた。
店の隅の二人掛けのテーブル席に陣取る。
既に店内にいた客が食べている刺身に目を奪われつつ、まずはアルコールを選ぼうとメニューを見る。
風呂上りでビール、も悪くないが、店を軽く見回してよく見れば、カウンターの近くに何本かの日本酒の入った小さなショーケースのような冷蔵庫がある。
ここはやはり、酒、に行くべきか…］
ああ、エクセレント。
あの酒と再会できるとはね。
［そこでふと、ショーケースの中に、やはり旅先で飲んで美味しかった思い出のある酒が目に入り思わず声を洩らした。
酒には種類がありすぎて、到底全ての名前など覚えられない。
だけれども、旅先で飲んだ記憶に残る美味い酒に別の場所で出会えるのはまた嬉しいものだ。］
観光客 シャロン・F
切れ味抜群の飲みやすさはとっても忘れられないよ。
すみません、あのショーケースの中の、あのお酒を下さい。
［手元に勝駒が運ばれてくれば、もう準備は万端も万端だ。
さあ、魚だ。
あの漁港の人々が薦める店で、手元に美味い酒がある。
きっとなんだって美味しいのだ。
コハダの酢〆は頼もうか。
赤いかのゲソ炙りってのも悪くない。
近海産鰺の刺身は間違いないし、海鮮サラダの海鮮具合は知りたいところだ。
キスの天ぷらと鯛の松笠揚げも挟みたいところ…
メニューを見ながら酒を一口。
自分がにやにやしているのはわかっていたが、止めようもなかった。］**
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