[食べ始めてみれば、『脂身なんざ関係ねえ!!』と思った。口に入れる前から、目の前に出される輝きは、今までこの期間に食べた『黄金』とはまた違う。銀シャリという艶の上、美しい筋が入った大トロは、隣に宝石を並べても違和感のない輝きをしていた。新鮮さ故の、見るだけでわかる脂のノリだ。俺はそれに醤油ではなく、ちょんとワサビと、岩塩をのせる。所謂塩握りだ。これがなんとなく『ツウ』っぽいと思ってからハマっている。が、しかし…… 舌に乗せたとおもったらもうなかった。]