[────ぱっ、と腕を引かれて視線を上げた。 梅雨明けの晴天と変わらない笑顔がそこにあった。 貴方はいつでもそうやって、容易く心の機微を支配する。 誰にでもそうする癖に、と何度揶揄ったところで悪びれもせず。 「 ごめん、ぼーっとしてた 」 だとすれば、 そうまですれば。 昨晩手掛かりをうっかり残してしまった事も 必然というものだ。]