焼き芋屋 安納ハルカ

――お食事処――

　そんなことねーって。
　ああしろこうしろ煩いのなんのって。

[じーさんが喜んでるかどうかにはそんなお返し。>>38
まぁ腰が痛いくせにえらくニコニコしてはいるが、鼻が急にむずむずしだしたので、黙って土手煮の持ち帰りを受け取ったのだった。
意外とずっしり、美味しそうな重さがする。]

　うわ、いい匂いがする……。
　なんかもう冬になるんだなって感じ。

[次に差し出されたおでんの乗った皿。
両手で受け取ると、ふわっと出汁の香りがただよう。
昆布と鰹とか？と予想しながらつい鼻を近づけていたら、仮面にあつあつの湯気が入り込んで頭を振った。
ここに来てさすがに仮面が邪魔だと思い始めたが、魔法少女もやっているのだから――口まで覆うタイプなのにすげぇ――謎の対抗心で外さないことにする。

おでんはまず大根から、のタイプ。
箸をそっと差し込めばほろりと割れる柔らかさ。
からしはつけないで、大きめの欠片をふーふーと冷ましてから口に入れ……やっぱりまだ熱い！となりながらも、大根の独特の味と染み込んだ出汁を味わう。]