74 【完全RP村】明日星町フードフェスタ
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焼き芋屋 安納ハルカ
――イベントステージ――
うおっ、なんだ、おっさんか。
[意気揚々と白い粉（怪しいやつじゃないよ！）だらけになっていたところで、親切な声がかかった。>>0:3
嬢ちゃん呼びは特に否定せず、おせっかいにめんどくさそうに一瞬眉をひそめるものの、さっき尾行した相手だと気づけば止めて。]
悪ぃ悪ぃ、まどろっこしいの苦手なんだよな。
[多分料理に向いてない。]
いやさ、自分で作んのめんどくさいから、上手く作りそーなやつの作ったの食べさせてもらおうとか考えてたんだけども。
ま、チビどもも見てるし全部やるわ。
おっさん、このまま教えてくれよ。コツあんだろ？
[さらに図々しさも発動。
踏むのはもちろんやりたいが、その前段階を放り投げてしまうのもイヤになったのだった。
珍しすぎるめんどくささの敗北である。]
焼き芋屋 安納ハルカ
[パンダ魔術師は腕まくりして頑張った。
力ならそれなりにあるつもりだし。]
オラァ！！
[踏むときのかけ声でまたチビが泣いた。]
いやー、これスッキリするな。
おっさんは手だけで捏ねてんのか、やるじゃん。
[後には清々しい顔（？）をした魔術師がいたとか。
おっさんのうどんの方はどうだろうか。
恐ろしい仮面が遠慮なく覗き込んだりしつつ、出来上がった生地と交換してもらう段階までいけば一呼吸。]
うどん、どうやって食うかなー。
かけうどんに海老天……ごぼう天もいいんだよな。
甘辛い肉も合うし……。
[切り方？ もちろん太くて不揃いしか無理。
それでも楽しい悩みに、もうお腹が鳴っていた。**]
焼き芋屋 安納ハルカ
――昨日・うどん作り体験――
[きちんと捏ねられたうどん生地と交換してもらったら、最初の適当さはどこへやら、抜刀前のような真剣さで切っていく。
この時ばかりは周りのチビたちも静かにしていた。
おっさんもアドバイスをくれたかもしれない。]
むっず！
[均等に細く切るのは想像の何倍も難しい。
結果的に出来上がったのは、太さのマチマチな上に所々力を入れすぎたせいで千切れたうどんカッコハテナな麺である。
それを茹でるわけだが、太さを考えると教えられたより長めの時間の方がいいだろう――結果、少し茹ですぎた。まぁ許容範囲。
それから湯気のたつ熱々の麺に澄んだ色のスープを注いでもらう。
ふわっとあじやいりこの良い香りが鼻腔をくすぐり、お腹の音リターンズ。]
やっぱこれだな。甘めなのも良いんだ。
[乗せるものは最後まで迷ったが、麺が太めで柔らかめになったことだしと、母方の実家の地方で人気だった組み合わせにすることに。
カットしたごぼうをサクサクに揚げたごぼ天に、すき焼きみたいにほんのり甘い味付けの牛肉、それにネギをどっさりかけて、完成！]
焼き芋屋 安納ハルカ
[イートスペースにお盆に乗せて運ぶ。
割り箸をパチンと割って、綺麗に真っ直ぐなったのに口の端をあげ、まずはスープを一口。
あっつあつである。ずずっと一気にはいけない。
スープに甘い牛肉と揚げ物の油が混ざって、脂っこくないのにあっさりしすぎていない、そんな美味さ。
ふぅ、と自然と息をつく。]
これこれ、懐かしいわ。
[地元で他の地方のうどんの再現をしてしまっているわけだが、まぁ悪くはないだろう。
興味深そうにされたらオススメしたいくらいだ。]
麺もちょうどいいや。
[太くてもっちりしているからスープがよく絡む。
切れ切れなせいでうまくずるずるとはいけないが、自分で作った感があって悪くはなかった。]
焼き芋屋 安納ハルカ
[おっさんはどんなうどんを楽しんでいるだろうか。
食べるタイミングも一緒なら、お互いに特に会話はせずとも、謎のうどん戦友のような空気感を味わっていたかもしれない。
ごぼ天はスープを吸い切っていない、サクサクとしっとりの混ざり合ったタイミングが一番好きだ。
なので食べる手を休めている暇はない。
ごぼうの風味っていいよなぁ。
牛肉の肉っぽさも中和してくれる。
そういえば、粉を振るっている時に見かけたおねーさん。>>11
この町で見かけた覚えもないし、旅行客とかかな。
家族連れの多い体験ステージに1人乗り込む度胸に、なんか話しかけたい気もしたのだが、機会を逃してしまった。
イートスペースには姿がないのを確認して、ずずっと最後までスープを飲み干した。]
ごちそーさまでした。
[うん、いいもん食べた。大満足！]
焼き芋屋 安納ハルカ
おっさん、あんがとなー。
これで暇な時でも焼き芋貰いにきてくれ。
[熱々の甘いのやるからさ、と。
うどんを食す前か後か、親切でおせっかいなおっさんに焼き芋サービス券を差し出したのだった。**]
焼き芋屋 安納ハルカ
――フードフェスタ2日目――
ふぁぁ〜あ。
[今日も今日とて秋の焼き芋日和。
開店時間から大あくびしている理由は、昨晩遅くまで深夜アニメをぶっ続けで観ていたからなのだが、起きられただけマシだろう。
ふんふんと主題歌を口ずさみながら芋のチェック。]
紫芋ってあんま普段食わなくね？ オレだけ？
[昔、もらい物の紫芋を勝手に味噌汁に入れたら完全に溶けてしまい、どろどろの紫色の怪しいスープが完成したことがある。
中学生くらいの頃の懐かしい思い出だ。
あれこそ黒魔術師の料理って見た目だったなぁ。]
ホクホク感がイチオシっと。
甘さなら普通のサツマイモのが上だな、やっぱ。
[あとメニューにこう付け加えておく。『お茶屋の抹茶＆ミルクソフトクリームと合わせて買うなら100円引！ オススメ！』
お茶屋のばーさんとの協力関係ってやつだ。**]
焼き芋屋 安納ハルカ
――2日目（朝飯）――
[寝坊したので朝メシを食う時間はなかった。
湿布くさいジジイの声援を受け、家を飛び出し、白い粉をはたき落としたローブをひるがえしながら駆け、今日も焼き芋屋台に着いたのである。
準備を終えたら、当然、空腹を思い出す。
朝メシに甘い芋ってのはちょっとなぁ。]
ガンバリ、お前ってパシリ機能とかないの？
[すでに借りてきているロボットに語りかける。
まぁそれくらいできそうだが、言ってみただけというやつで、彼？に留守番と呼び込みを頼んでうまい朝メシを買い求めにいくのだ。]
焼き芋屋 安納ハルカ
――おふくろちゃん――
[ここのお惣菜はうちでもよく食卓に並ぶ。
もう第二のおふくろの味といっても過言ではない。]
おはよーっす。
[案の定声で中身はバレた気がする。
店員のおばちゃんはギョッとした後に吹き出して、こちらの名前は呼ばないでくれた。
ちなみに買いたいものはもう決めてある。
朝のこれくらいの時間なら炊きたてのはずのアレ。]
きのこの炊き込みご飯で。
そーそー、朝メシ抜きになっちまって。
[店の奥から忙しくも活気のあるざわめきと、色んなお惣菜の出来立ての匂いが漂ってくる。
おばちゃんはちょっと待ってなさいねと引っ込むと、炊き込みご飯をお握りにしてラップに包み、ニコニコと戻ってきてくれた。
これなら店番しながらでも食べやすい。
なんだか照れ臭く、鼻の下を掻こうとしたら仮面にぶつかって思いっきりズレてどうしようもなかった。]
焼き芋屋 安納ハルカ
――焼き芋屋台――
[大きなお握りみっつに、あれもこれもと勧められて、卵焼きと唐揚げまで買い求めてしまった。
なんというか、定番のお弁当みたいなラインナップ。
そのせいか、ガサゴソ袋を揺らしながら屋台まで戻る道すがら、また秋の空を見上げたら、小学校の頃の運動会を思い出した。
あの日は仕事の忙しいかーさんが寝坊して、朝弁当を作れなかったのだ。
ごめんねと謝られても素直でなかった自分はぶすくれるばかりで、何もいらないとばかりに家を飛び出して。
そうしたら、ジジイが昼にお弁当片手にやってきた。
競技を見ていたはずが途中から姿がなく、帰ったのかと思ったら、わざわざ用意しに戻っていたのだ。]
全部ここのお惣菜だったな。
[料理の苦手なジジイなりに、孫を喜ばそうと子供の好きそうなお惣菜ばかりを買い込んで、どうにかこうにか弁当箱に詰めたのだろう。
ぎゅうぎゅうすぎて卵焼きとか潰れてたし。
お握りなんて握力を込めすぎて固まっていたし。
そして帰り道は、ジジイと一緒にたくさんの焼き芋を買って帰って、みんなで少し冷めたのを食べた。]
焼き芋屋 安納ハルカ
これは落ち着くんだよなぁ。
[ラップを広げると醤油と出汁と、きのこの香り。
敢えてのペットボトルのお茶を飲んでから、まだあたたかくてホカホカのお握りにかぶりつき、口の中に広がるいつもの美味さを堪能する。
叫び声を上げるとか、手を叩くとか、自分にとってはそういう劇的な美味さではないけれど、ホッと肩の力が抜けるあたたかい味だった。
ちなみに炊き込みご飯は少し時間が経ってから、冷めてしっとり、すべての味が調和した段階もとてもいい。
だからお握りひとつは間食用にとっておこう。
大きなふたつをペロリと平らげ、砂糖のきいた甘い甘い卵焼き（店には色んな卵焼きが確かあるはず）と唐揚げを交互に口に運ぶ。
唐揚げも小細工のない、ふつーな感じなのが好きだ。]
ロボットはメシってなんなんだろな。
[ごちそうさまと手を合わせて。
店番をしてくれたガンバリ君と交代するのだった。**]
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