59 【ホラーRP村】晩秋の怪
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小説家 深瀬賢
危ないだって？
そう思うなら、行かないで――…
ねぇ、湖月さん。
僕は、僕は――……、
[嬉しかったのに。
一発屋と揶揄される昨今の自分をも、
全て受け入れてくれる君が。
作品の知名度だけではない。
全てを読んで、応援してくれているという言葉が。]
【赤】 神部 宵
[最も頼んではならないモノに
頼んでしまった事を
彼女が知るのは先の話になるかもしれない
関わる女性には粘着質に
狂気を与えるモノが
男の首に腕を回している
どす黒い髪で覆われた
数メートルはある獣のような女のような影が
離れるものかと
佐田春夜を見て、嗤った]*
迷い子 桜井 新恵（わかえ）
ひ、ゃ……っ
[頭にガンガンと叩き込まれるような騒音。つい、耐えるように両手で頭を押さえる。いくつものいくつもの声。
否、声だけではない。
今の今まで、がらんとくらい、何もないただの広い部屋だったのに。
部屋の中に、たくさんのたくさんの白い影たちがいた。
ざわざわざわざわ。
がやがやがやがや。
たくさんの影が、祭りをしているように動いていた。
脳裏を過ったのは、秘密のお祭り。
けれども、そんな事よりも……！
ガンガンと音で痛む頭から、無理矢理手を離し、落ちたお守りを拾う。握りしめる。
――と。
――ぶつんっ
]
迷い子 桜井 新恵（わかえ）
[まるで、乱暴に、テレビを消したかのような
そんな錯覚をするくらいに、一気に騒がしい声達が、影たちが、消え失せる]
ぇ……
[それに一瞬、呆気にとられるが、けれども、でも、分かる、分かってしまう。
それは、見えなくなっただけ。聞こえなくなっただけ。
声も、影も、鏡の中のお姉ちゃんも、消えてはいない、と。
だから]
っ――！！
[お守りを強く強く握りしめ、縺れて転びそうになる足を無理やり動かして、その場から、その家から、駆けだした]
新人記者 百千鳥(モモチドリ)
こないで…こっちにこないで…
わたしはあなたが探してる人じゃない…
こっちに来ないで…
[人の気配が近づいてくる。
そちらにぽいぽいと砂場で作った泥団子を乱雑に投げつけて、百千鳥は恐慌状態にいるようだ。
ふつうの人間ならわざわざこっちに向かってくるはずはない。
そう思っているので余計に怖かった。
作っては投げつけて、必死に祈る。どっか行けと。
百千鳥は身体は泥に水に砂にと汚れに汚れて、奇妙な斑もある。
わざと服も汚して見た目を恐くしようとしていた。
人間より、怪異に見えるように。人間を遠ざける為に。]
わたしじゃない…こっちに来ないで…
大学生 生駒秀二
[男は濃霧の中を歩き出す。懐中電灯がないのでスマホの灯りを頼りに。
疲労が蓄積している。足取りは重たい。
それでも一歩一歩、気力だけで進んだ]**
老医師 捨丸 美鈴
－道路－
[周囲を見回してもやはり真っ白だ。霧がとても深い。誰かがすぐ近くに立っていても分からないだろう。
どうしましょう、と、考える。
佐田も百千鳥も行ってしまった。
この死神にも似た霧の向こうに。]
そうねぇ、どうしましょう。
[妙にのんびりとした声が漏れてしまった。
怪異は怖い。怖いものは怖いのだが。]
この年になると、意外と慣れるものねぇ。
[他の子たちより死は近いのだから。]
雉笛 湊
[小さく頷く、それと同時に嫌な予感が頭をよぎる。
ガチャ…バタン…？目の前の何かは、ご丁寧に扉を閉めていなかったか？と。
動こうとした彼女を制する。首を小さく横に振る
『鍵が締まってたらいよいよ終わる』蚊の鳴くような声でそう伝えた。]
【赤】 雉笛 湊
黒い何かは部屋の中に入ってくる
距離にして数ｍ…
動きは緩慢。しかし明らかに異質。目のようなものも耳のようなものも見受けられない。
「■■■■■■■■■」
動きが止まる。奇妙な音…言語とはとても表現出来ない音を発しながら、黒い何かが地面に沈んでいく。
そしてそのままスーッと消えていく。
「■■ﾄ■■■ｹﾀ」
完全に気配ごと消えた。
九条 叶多
ぇ……。
[漏れた声は、二つの出来事に対して。
……本当だ、閉まってる。
怪異――のせいじゃない。そう、願ってしまったからだって。]
あ……はは……。
[嫌な気配の、消えている。それは分かって。]
何か――いえ。
助かったんでしょう、か。
[何か言ってましたか、なんて。そう訊いてしまって、その答えがあったら。
もう、私と雉笛さんは分かたれてしまうような。そんな気が、して。
止めた。]
老医師 捨丸 美鈴
[懐中電灯で周囲を照らす。
遠く遠く、霧の向こう、ぼんやりと人影が歩いているような気がする。
霧の向こうに死者がいる。
会いたい死者がいる人は、その人に会えたのかしら。
ゆるりと光を動かした。
十年前のお祭りでも、そういう望みは叶えられたのか。
首をかしげて考える。
余所者には参加できない村のお祭り。記録なら、どこへあるだろう。役場はあまり探せなかった。]
……神社、とか、どうかしら。
[方向を確認し、歩き出す。]*
神部 宵
百千鳥さん！
[戦慄くように、ガタガタと震えながら
何かを投げつけてくる女性を見つけた>>115
何か、は俺のズボンの裾あたりにポテポテ当たっては弾ける。デカイから怖いのかもしれないと近くに走り込めばしゃがみ込んで彼女の顔を両手で掴む。抵抗されても恐らくは離れる事はしないだろう力で]
百千鳥さん！わかる？俺ツアーの人間
[どうやればこんなに泥だらけになるのだろう
涙と泥でぐしゃぐしゃだ
俺はと言えば血と泥で下半身はぐしゃぐしゃで
まともな人間には見えないかもしれないけれど
とりあえずは落ち着かせようと顔を見て
───痣のような、泥痕ではない何かを見つけた]
新人記者 百千鳥(モモチドリ)
>>122[じたばたと抵抗しながら、手には石を握りしめている。
だが男の腕力にはかなわず、涙を流して怖がっている。
辺りは暗く、男のは恐怖の対象でしかない。
大きな声で怒鳴られ、何を言っているかも分かっていなかった。]
いや…いや…触らないで、近寄らないで…
わたしじゃない…わたしじゃない…
[怯えて石を振り回そうとしている。その表情は目の前に殺人鬼を前にしたように、涙に溢れて怖がっていた。]
雉笛 湊
…多分…ね。
[大きく息を吐きながら答えた。]
今の…敵意こそ感じなかったけど…
[最後に何かを言っていた。と言う言葉は飲み込んだ。とても言葉とは思えない音。更に言えば、私か彼女かどちらに対してのものかも分からない。]
ここも安全と言えなくなってしまった…かしらね
[安全な場所など存在しない。頭ではそういうつもりだった。けれどしばらく何もない所に、まるで不意打ちのように現れたのだ。
安寧の地など無いのだとあざ笑うかのように。]
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