59 【ホラーRP村】晩秋の怪
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神部 宵
──公園──
……つ……行か、なきゃ……
[朦朧とした意識で目を覚ませば、どのくらいの時間が経ったのか調べる間もなく土に手を着き身体を起こした。痛みの程度ほど血は流れてなかったのだろうか、頬に張り付く血の痕を手で拭って確かめる
百千鳥さんは無事だろうか
怖い思いをさせてしまった
もっと優しい言葉をかけられていたら
もっと気の利いた言葉を紡げていたら
どうすれば良いのかが分からなかった
どう慰めたら良いのかが分からなかった
それすらも奢りなのかもしれないのだけれど
手を離れていたカメラの状態を確認する。せめてスリープモードでなければ、彼女の足跡を会えたかもしれないのに]
神部 宵
[ふらふらとした足取りで籠宮家へ向かったけれど、
そこには誰の姿もなかった
玄関の扉が囁くように
キィ、キィと風もないのに揺れている]
蛍さん…ふかせん…、イコマくん…?
[玄関先に纏められた自身の荷物とメモを見つけ>>3:100>>3:102>>3:142
内容を読めばくしゃりと紙片を握りしめる]
……探さないでくださいって、そんな言い方…
………も、馬鹿、置いてくなよ……
[どこか決心をしたような文面に、自身は無価値だからと静かに語っていたイコマ君の顔が胸に浮かんだ>>3:27。鳩尾から熱い塊が競り上がる。目の奥が熱い
一人になんてするんじゃなかった。無理を言ってでも共に行動しておけば良かった。>>3:58伏目がちに微笑む顔が目頭の奥に滲む
自分自身への怒りで、揺れる扉を殴りつけた
嘲笑うかのように玄関の電燈がチカチカと光っては消えた]
神部 宵
[声をかけても室内からの反応はない
一通り家の中を捜索しても人の影すら見つけることは出来なかった
一室の棚の上の写真立てにかけられているハンドタオルだけが新しい。女性が持つデザインのように感じた>>3:67>>3:139
荒れ果ててはない室内、霧の中うすらと積もった埃に着いた足跡。二人がここに居たのは確かだろうに。その気配は、もう、ない]
…ぃ ッつ…、
[途方に暮れた俺は、
兎に角応急手当てをしようと学校へ向かおうと思った
探すなと言われているがイコマ君をほっておくこともできず。百千鳥さんの行方も分からないままだから。忽然と消えてしまった、またはどこかへ移動したであろう蛍さんとふかせんを追うにも、まずは傷の手当てをしてから体制を立て直すことを目的にする]*
神部 宵
──学校──
[カナさんと駆け出した刻が酷く昔のように感じる
肺から空気を絞り出すようにして、俺は保健室へと戻ってきた
感覚が麻痺してしまっているのだろうか
あれ程恐ろしかった怪奇現象も
今は一人であろうと何も感じない
ただただ悲しかった
ただただ寂しかった
けれど誰にも会いたくなかった
会ってしまえば無様に縋り付いてしまいそうだったから
自分の弱さを認めたくなかった]
神部 宵
──学校──
カナさん！新恵ちゃーん！百千鳥さん…！
[この村で出会った人達、この村に存在する人達、数年掲示板で関わりのあった人達の名前を呼ぶ。付き合いの時間なんて関係ない、この異常な状況を抜け出す仲間なのだからと名前を呼ぶ]
ムツキさん！！捨丸さん、
アカツキさーん！雉笛さーん！
皆無事〜！？
[生きて皆で帰ろう、
皆で生き残ろうと言う思いだけが俺の足を動かしている]
イコマくーん！蛍さーん！賢ちゃーん！
返事してーーーー！！！！
[霧が音や時間を歪ませるなんて関係ないとでも言うように、声を張って探し続けた。荷物を抱えたなら保健室から校舎を巡り、教室の隅々まで。屋上は少し覗くだけだったけど。そうして旧校舎の方にまで足を伸ばしかけた時]
神部 宵
、───〜〜〜〜・・ッ、
[それを見てしまえば吐瀉感が喉の底から這い上がる
それらと悲鳴を抑え込むようにして無意識に掌で口を覆う
ムツキさんであったものが、所々関節をあらぬ方向に曲げる形で、別棟下の土塊に黒い血を吸われて横たわっていた
静脈の浮いた白い腕、皮膚の薄そうな白い頬、そうして、彼女の顔は───
そこで視線の流れを断ち切った。見るな。見るな、と目を逸らす]
、ふ……ッ…う、あ…、うう……
[ガタガタと身体を支える膝が笑う。とうとう立っている事も出来なくなり、俺はがくりと蹲った。叫ぶ声すら上がらず嗚咽と涙と胃液を土にぶつける事しかできなかった]*
神部 宵
[暫くの間ムツキさんの遺体の前で蹲り続けた
湿った土の匂いと血の匂いが染み付いたまま
ぐすぐすと顔を上げて、このままでは行けないと彼女の亡骸に敷物を被せる。風で飛ばないよう石を拾い、少しでもムツキさんが汚れないようにと覆って]
………っ、ぐ、ぅ…ひぐっ……
[涙とか鼻水とかを拭っても焦燥した色は落ちない
言葉も紡げず、
ただ誰かに会わなければと足を進めた
「人が死んでしまった」
皆で生きて帰ろうと縋った願いは
いとも簡単に崩れ去ったのだ]
神部 宵
──学校の階段──
[頭蓋の中が羽虫でいっぱいになるような気分だ。ガンガンと鳴り響く耳鳴りに踊り場の鏡に手をつく>>２:93。自分の姿を丸写しにする程の大きな造りの姿見だった
鏡に纏わる怪談はどのようなものがあっただろう
望むものを映し出す鏡
───手を伸ばせば二度と戻る事ができないと言う
鏡の前である儀式をすると現れるナニカの話
───呪いのきっかけに理由などないという不条理
悪魔が宿る鏡なんて映画もあっただろうか
───鏡の中の自分を別の自分だと認識してしまうと…]
……は…、なんでもいいよ……
[自分にのしかかる影のようなものがどろりと溶けた
俺の姿は歪み雪のように溶けていく
鏡面は真っ黒に塗りつぶされた]
神部 宵
……願う場所に、つれていってくれるんなら……
[鏡の闇に掌は触れる
とぷりと沈むように、誘うように、
望むままに受け入れてくれる
暖かくも、寒くも、熱くも冷たくもない
ただただ暗い道だった
俺か、俺じゃないものかが、心の中で誰かに語りかける
──君、価値なんてものははじめからないんだよ
石ころには石ころの存在意義があるように
人は暇潰しによってさも意味ある存在を
演じているとも言える
石ころだってさ価値なんてものはないでしょ
人にもない
それは、誰かの想いによって
初めて生まれるものだと、俺は思うんだ ]
神部 宵
[ガタガタと椅子や机が振動を始める
ホールの中の黒い人影が声にならない声を発しているのが分かる
初めに訪れた時にはなかったフォークやらナイフが床に落ちた
足元に突き刺さるものもあるだろうか
壁伝いに走って出口へ向かおう
この場の悪意のようなものが
新恵ちゃんへ向かって飛び散る前に
彼女を抱えられるならとふかせんから預かるつもりで]
神部 宵
……ぅ、っぐ、す、
、……あらえちゃん、あらえちゃん…
[大の大人が大泣きしながら
飴玉を口にするふかせんとのやり取りを見守った後に
託された少女の身体を抱えて肩に担ぐつもりで
嫌だと言うなら手を引いてでもこの空間から連れ出すだろう
テーブルの上の蝋燭のようなものがガタガタと揺れていて
霧は彼を包み込む
黒い影たちが新恵ちゃんを取り囲むように近づいてきて
いよいよ逃げ出さなければならないという状況で]
神部 宵
[新恵ちゃんを抱えたまま入り口を過ぎ、ブランコが揺れる庭先に飛び出た所で
微かながらに蛍さんに似た声を耳にする>>+33
姿を探して辺りを見回すがはっきりとは目視できないでいた
蛍さんが近くにいるのかもしれない
籠宮家での事を知らない俺は声を張って]
ほた、るさん…！ほたるさん、！！
ふかせんが、ふかせんがまだ中に、
なんか変なんだ、おかしいんだ、
、新恵ちゃん、……連れて、
…先に逃げ、って……、頼む、
…蛍さん！ふかせん、助けて！！！
[そんな中でもレストランからは、囂々と黒い影が未練だらしく新恵ちゃんを追って来るように感じ
俺は避難所の方に向かうからと声を投げて泣きながら駆け抜けるだろう]
神部 宵
[>>0:283簡単な挨拶だったから、新恵ちゃんににとって俺は見知らぬでかい大人、なのかもしれない。>>0:290>>0:294怖がらせてしまった事などを思い出し、レストランから離れきった所で彼女を下ろせば、改めて視線を合わせて挨拶をした]
…ぐす、…俺は、しょう、っていうよ、…
仕事での名前は宵闇って言われ、てる…
….25さい、…好きな食べ物は、プリン…
、わかえちゃん、なのに、
…慌てていて、名前、間違えてごめんね、
[しっかりしなければと思うのに、目の前の女の子より酷い有様かもしれない
学校とは反対の方に走ってしまった
>>3:150>>22すりむいている箇所を見つけたなら、避難所になら何かあるはずだから、そこで痛いのを治そうと新恵ちゃんへ話しかけた]
神部 宵
、え、なに、何？！
[彼女とのやり取りを交わした直後だろうか、
霧の関係かは分からないが遠くのような近くのような場所から
聞き覚えのある声がした、ような気がした
>>+38背後に響く強い声に
新恵ちゃんを背後にして、身構える]*
神部 宵
──新恵ちゃんと>>144
[言葉が上手くまとまらない
ひやりと温度の違いを知らせる右の肩が濡れている訳を知る>>142。大丈夫、大丈夫。そう口にしながらも、涙が溢れる理由を彼女は察しているのだろう
涙で濡れたままの顔を合わせるような姿で、俺の知っている凛とした新恵ちゃんの透き通る声とは違う、震えを孕んだ音に胸が締め付けられる
僅かな時間だったけれど
肩を並べてご飯やお菓子を食べた保健室を思い出す。あの時のようには、もう会えないと解ってしまった
それでも大丈夫だと
追いついて来ると口にする子を前に
>>144半ば無理やりな感じで連れてきた俺なんかにお礼を言う気丈さが痛ましく感じてしまい]
……新恵ちゃんは、えらいね、…
お礼もちゃんと言える……俺は、
…いいこじゃないから、だめだな…
……今にでも、連れ戻しに行きそうで…
神部 宵
[何故だろう
我儘も言わず、こんな訳の分からない奴に連れられてもお礼を口にする、出来すぎた子供のように感じたからか、新恵ちゃんの頭をぽんぽんと撫でていた
訳もわからずこんな場所に誘われて、迷い込み
知らない大人たちばかりの中でも泣き叫ぶこともしない
「もっとわがままを言っていいんだよ」
その一言が喉の奥で小骨のように詰まった
我慢をしているのではないか、苦しくないのだろうかと思うのは俺のエゴなのかもしれないのだから、口には出来なかったけれど]
一緒に、蛍さんとふかせんを、待とう
他の、みんなも
…お母さんとお父さんのところにも、
……帰らなきゃ、だしね、
[そう言って手を引いた。千切れそうになりかけていた気持ちは、小さな掌のおかげで今は少し、落ち着いている。いや、彼女を守るという気持ちのおかげで、吐き出しそうな想いを留められているのかもしれない]*
神部 宵
──佐田春夜さんと>>4:+39
、あ……、
[イコマ君の後ろに立つ彼女が、うすらと光を帯びるように見えるのは俺だけだろうか。直接的に響くのに何故か頭の中に直接流れ込むような声音の女性───佐田春夜さんの姿を見て、びくりと肩を震わせた新恵ちゃんを背後に隠した>>4:147
>>4:+39一瞬、悲しそうな顔をしたのは何故だろう、身体を隠すように後ずさるのは何故だろう。イコマ君と連れ立って歩いているという事は、本人も話していた通り人に敵意などはないのだろうけど>>3:+11]
……百千鳥さんは、ごめん…
…気を失ってる間に、
……何処かへ行ってしまったんだ……
ひどく怯えていて、俺じゃ、駄目だった
[生きている人間が怖い、という事を知らない俺は、助けようとした事、錯乱した百千鳥さんに逃げられてしまった事だけを伝える
頼まれたのに応えられなかった悔恨を声音に湛えて]
神部 宵
[彼女が「生きている人」ではない事は、
理由もなく分かっていた
(彼女が俺を知覚しているように、俺に絡みつく「何か」が彼女を知覚しているとは知らない。「何か」は恐怖を食した事で今は満足そうに凪いでいる>>3:129
ソレは孤独と恐怖を目的もなく気まぐれに食する悪霊の集合体なのだから)
イコマ君は気づいているのだろうか
けれど彼を連れてきた、力になるのなら、と言うことは
彼とは何かしらのやりとりをした上での事かと察して]
…人が集まっていても、…
…抗いようはない気もするけど…
…ぅ、な、亡くなってたんだ、
学校で、ムツキさんが……
[知らない間に、屋上から飛び降りていたような
遺体だったと。イコマ君にも聞こえるように話だから
新恵ちゃんにも聞こえてしまったかもしれない]
神部 宵
──避難所──
[避難所、というマップはあっただろうか
どこでその情報を記憶したのかが曖昧だった>>2: *0
もしまだ近くに春夜さんがいてくれたなら
避難所の場所を聞いて移動をしただろう
彼女がどこかへ行ってしまっていたのなら
イコマ君が持つマップを頼りに進んで
どちらにしろ、たどり着いた先には避難所？公民館？のような建物があり、災害時に必要なものが残っていないか管理室を調べるだろう]
新恵ちゃん、消毒液と絆創膏
化膿するといけないから
痛かったら我慢しなくていいから
痛いって言って
[保健室や病院のような処置具はなく
民家においてあるような常備薬の薬箱をみつけて声をかける]
神部 宵
[イコマ君と春夜さんのやりとりを聞けたのなら
これからの事を相談もしただろう
新恵ちゃんの傷の手当てをしながら、
彼女が首から下げている小さな懐中電灯についていた
飾りがなくなっている事に気づけば声をかける]
新恵ちゃん、ここに付いてた飾りのような物
落としちゃった？
[そんなやりとりをしながらも心の中には
ムツキさんの亡骸の事や
合流出来ずに消えてしまった百千鳥さんの事
何より置いてきてしまったふかせんと蛍さんの事
カナさんの行方などがぐるぐるとこの靄のように
蟠り続けていた]**
神部 宵
[捨丸さんはこの村に過ごしていたと言っていたはず
誰か、今、共にいるのだろうかとふいに不安になる
彼女の事を知ってはいないかと
春夜さんとのあらましの中イコマ君に尋ねるだろう]**
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