――焼き芋屋台――
[げっほごっほの1人大騒ぎの後。
トラックに手をついて疲れ切っていると、頭に響くような元気な声>>26が聞こえてきた。
客の彼は一切何も悪くないのだが、骨の仮面がおどろおどろしい雰囲気で振り返ったことだろう。]
……まったく忍んでねぇニンジャだな。
[ぼそっ]
あーはいはい。でっかいのね。
[ローブを引きずりながら出てくる。
並んでいるいくつかの釜の前で軍手をはめた手を構えてから、ちょいちょいとお品書きのボードを指差した。
紅はるか、安納芋、鳴門金時、アヤムラサキ…とサツマイモの品種名が大胆な筆文字で羅列されている。
どれにする?というようにジェスチャーして。
彼が選んだならそれを、どれでもいいと言われれば適当に、質問とかされるなら面倒そうにしてから、ひょいっと大きめのをとって紙袋に入れて差し出す。
別にケチる理由もないし。]