[瞬きをする。
いわゆるカメラ機能を搭載した青色の瞳から脳へ画像データが送信される。目の前の光景はすべて数値化され、脳のなかでデータ解析が行われる。声の高さ、響きに含む意味。人間の体温。目線の行く先。関係性。儚く散った眼鏡の強度、諸々。
たとえば、堀江のつくった菓子を皆美味しい、とクラスメイトは言う。その味を自動で脳は数値化する。その数値と近似値であれば、"うまー!"と言うように自然とプログラムされた。
これが僕にとっての普通だ。
だから、青春を楽しむ>>175とは何かの答えはまだ出ていなかった。>>187の青春と呼べる、という言葉にデータの収集開始。ピッピッピッピッピ。]