59 【ホラーRP村】晩秋の怪
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老医師 捨丸 美鈴
……いやねぇ。
年寄りが見送ってばかりって、逆じゃないの。
[二人を見送り、呟く。
ふるりと首を振って、前を向く。
九条が成そうとしている事の邪魔しない。歌の通りならば離れなければ。
神社、階段を、降りる。
振り返らず、ゆっくり、一段ずつ。]
……あら。
[伸ばした己の手の先も見えなかった白く深い霧が、少しずつ薄れていく。
まだ霧自体は存在するものの、空を見れば、遠く星の輝きさえも認められるのだ。]
すごいわねぇ、本当、凄い事したのねぇ、あの子。
……良い顔をした、お嬢さんだったものね。
[そっと微笑んだ。
そして、避難所へと、歩を進めた。]*
老医師 捨丸 美鈴
－避難所へ向かう道－
そうだ。
[スマホを取り出す。懐中電灯を脇に挟んで、両手でスマホを操作した。
ホラーサイトの掲示板。
そちらの方が早いかもしれない。
しかし、掲示板のその壊れたような文字群に首を振った。
まともな文章は村の外からの送信に思える。
それでも、一言だけ、送信した。]
【赤】 老医師 捨丸 美鈴
送信者：捨丸美鈴
送信内容：生駒君、無事かしら？ どこにいるか教えてちょうだい。宵闇さんが、貴方を心配していたの。
老医師 捨丸 美鈴
―避難所―
よかった、昔と同じなのね。
[避難訓練で使われた建物が十年前も避難所として使われていたようだ。
玄関のドアを開く。]
新恵ちゃん？
新恵ちゃん、いるかしら？
[驚かせぬように、まず声をかける。
反応は、あっただろうか。]*
【独】 老医師 捨丸 美鈴
/*
さて、これはみんななにがしたいのかね。
まだみんなの望みの方向が見えないなー、流れに任せてくれるんだろうか。
さてさて。
老医師 捨丸 美鈴
あと、ねぇ。
[視線を微かに上げた。]
私、本当に鈍くて……巧く分からないのだけども……。
[偶然にその視線は見えない誰か>>+27の方向へと向いていた。]
貴方を心配してくれる人も、いる気がするのよ。空気が、少しだけ柔らかいわ。
老医師 捨丸 美鈴
[さあ、と、少女に微笑んだ。]
この村から出ましょうね。
多分、ね。大丈夫だと思うの。霧が薄れた。引き留めるものが弱まってる。朝が来てくれれば、一時でも力は弱まる。
お外に、出られるわ。
もう少し、時間はかかるだろうから、ここで待っていて、明るくなったら動きましょう？
[自分には知らぬ場所で、いくつもの思いが動き、消え、沈み、散ったのだろう。
祈りは、想いは、必ず力になる。
人の思いが、言葉が力になるのを、自分はちゃんと知っているのだ。]
それとも新恵ちゃん、貴方、なにかしたい事があるの？
[問うたのは、少女が纏う、どこか奇妙な雰囲気故だった。]*
老医師 捨丸 美鈴
[この少女をひとりにできない。ひとりにしたら、そのまま消えてしまいそうな気がしたから。
少女の周りには柔らかい空気があるのだ。
彼女を案じている誰かが、いる。
その気持ちを、無駄にはできない。]
どこへ、行くのかしら。
[少女の行く場所へ、共に向かうつもりだった。]*
老医師 捨丸 美鈴
[哀しい事に、死者の存在を見る事も、聞く事もできない。ただ空気を感じるばかりだ。
民家での恐怖体験が、久しぶりの怪異ですらあった。
それでも、柔らかい空気は届く。>>+42
間違いなく、少女へ向かう気配だ。]
新恵ちゃん、貴方、愛されてる子なのねぇ。
[そっと微笑んだ。]*
【削除】 老医師 捨丸 美鈴
おばあちゃんね。
[孫に話しかける口調になっていた。]
この村から出たら、美味しいもの食べにいくつもりなの。
チョコレートケーキが好きなの。
美味しいお店、知ってるのよ。
新恵ちゃん、ケーキは好き？
お外に出られたら、連れて行ってあげましょうか？
[先の約束をしたのは、やはり、不安だからだ。
そうだったらよかったのと呟く、消えそうな少女。
彼女の導く先は、何処か。]*
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