59 【ホラーRP村】晩秋の怪
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九条 叶多
[おててを出して。
……すっかり当たり前になってるけど、本来人と手を繋ぐのもそこそこトクベツだよね。]
ん……。
[霧の薄さ、は私にも確認できて。]
そう、ですね。
霧が薄い先が安全、とは言えませんけれど。
霧が濃いのは危険……でしょうから。
[行きましょう、と。
頷いた。]
九条 叶多
みたい、ですね？
[都合の良い景色を見せられてはいないかと、まやかしを疑ってしまうけれど。
確かめる術は、なくって。]
……霧の薄さには。
安心、しても良いのかもしれません。
[一瞬、雉笛さんが何かに反応したような。
その所以が、私には“聴こえなかった”。]
九条 叶多
……進んで、みましょうか。
[神社を見て、最初こそ恐れを抱いたものの。
本来、神聖な場所である筈のそこは。
恐れるでなく、畏れるべきで。
そんな場所で今まさに、二人――と表して良いかは複雑な。
そのやり取りが行われている最中だとは、全く思っていなかったのだけれど。]
九条 叶多
………………ぇっと。
[人影。……二人。
男の人と、女の人。
女の人は、少し。不思議な？ 感じがする。
それに……怒ってる？ 違う、かな。
こちらに気づいた様子>>+26に。]
……ツアーの方、ですか？
[なんて。一番当たり障りのない、訊ね方をした。]
九条 叶多
えっ、腕……？
[言われて気づく。
ない。それも、つい最近、荒々しい失い方をしたような痕の窺えて……。]
あ、いえ。こちらこそ、突然失礼しました……。
カナ……九条 叶多です。
[ごく普通。それは、寧ろ異常をはっきりさせる程に。]
ええと……お訊きして良いのか、ですけれど。
……貴女は？
[求める答えは、あまりに多かったけれど。
そんな全部を、はっきり言葉にするなんて……できなくて。]
九条 叶多
[色々あって。
それはそうだと思う。
片腕がない女性と言い争いをしていた状態。
色々あったんだと思う。
でも、それと突然対面して、怒鳴られたような私の気持ちも考えて欲しいな、って思う。
色々ありすぎるじゃん……。]
イコマさん、ですね。……名前だけは、宵闇さんから聞いて、知ってます。
よろしくお願い……します？
[ぐるぐる回る思考のなか。
どうにかそんな挨拶は。できた。]
九条 叶多
……先にびっくり、してしまったものですから。
[こう言ってしまうと、イコマさんを咎めるような言い方になってしまうから。
冗談と示すよう、あはは、と笑う。
……多分そうじゃなかったら叫んでたと思うけど。]
そう……ですか。
…………………そう、ですか。
[今更、“死体が動く”だけでひどく驚きは、しない。
しないけれど。
“人が死んだ”という事実と、向き合うことになるのは。
重かった。]
九条 叶多
真実を、明らかにする。
それが、今の私……私達に、必要なこと。
そう、考えていて。
『死斑』の原作と、映画版。その相違。
監督が、この村の人だったこと。
私がそう思った根拠は、これくらい、なんですけど……。
[“生き残りたい”かぁ。……強いなぁ。
私は、そこまではっきり言えなかったや。
生きることを目的にしてしまうと、死と向き合うことになるから。]
九条 叶多
[佐田さんの求めに>>+34、イコマさんと、雉笛さんを見る。
佐田さんについて行くということは、雉笛さんを置いていくということで。
差し出された腕と、二人の顔を。見やって。]
九条 叶多
[謝られたのには>>118、困ったように笑って。
びっくりしただけだし、大丈夫です、って。
そして佐田さんのお話を、聞いて。]
ありがとう、ございます。
もしかしたら、「死斑」は病気のことを示しているかもしれなくて……それに、ヨミガエリの……。
[繋がる先のあるかどうかを、思案するけれど。
きっとまだ、ピースは満たない。
イコマさんの問いかけ>>123には、私の考えを説明して。
病院を、対峙するものとして描いたのなら。それはきっと、と。]
病院の情報は、特に大切……だと思います。
ありがとうございます、佐田さん。
[しっかりと、深く。
お辞儀をする。]
九条 叶多
雉笛……さん……？
[風に目を瞑って、音に怯んで、おそるおそると目を開く。
――ついさっきまで、片腕がない佐田さんを見ていたって言うのに。]
どう、しよう……。
そうだ、病院……！
使えるものが、あるかもしれないから……。
わたし、とって、きますから。
[駆け寄って。
即死だとか、助かるものだとか。
そんな判断の、できるわけなくって。
希望に縋るようなそんなことを、宣う。]
九条 叶多
っ……。
[言い争って良いとか、そんな相手じゃない。
それは、分かって。
――変な優しさは、あるのかな。
少しだけ時間がある、なんて。
そう伝えられたのなら。]
……雉笛さん。
私が貴女に、できることは。ありますか。
――約束、とか。
応えられることは。ありますか。
[瞳が潤むのを、制して。
残りが僅かと言うのなら。それが断じられているのなら。
……私がしてしまうのは、こういう行い。]
九条 叶多
[……ああ、ごめんなさい。
聞けなかった――
と。]
……ありがとう、ございます。
[そもそも、誰のせいでこうなっているんだっけ、とか。
そういう恨み言を言うのも今は、いい。
……重いなぁ、と。思ってしまっても。
その、上でも。]
わかりました。
乗り越えて、は。できるって、言えないので。
引き摺って、いきます。
[人の死を、看取るなら。それは、克服するものじゃないから。
ずっと抱えて、私の内に引き摺るもの。]
九条 叶多
……………………。
[見送った。
見送って、しまった。
雉笛さんの命を奪ったそれが、私に悪意らしいものを向けることは、なかったから。
言葉への疑いは、持っていないけれど。]
……そんなすぐに、行動できるほど。
強くは、ないですよ、私。
[そう言って、動かなくなった彼女の横に腰を落とした。
悼む時間の、もう少しは。欲しかったから。**]
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