59 【ホラーRP村】晩秋の怪
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【独】 動く死体 佐田春陽
/*
生存組が皆生き残る前提で死者八人？
その事実がまあまあなホラーではある。最後死体どうなるんだろう。生者の人たちが言及しなかったら、死者の死体はやっぱり失踪とかするのかな。なんて。
*/
【墓】 動く死体 佐田春陽
ー佐田春夜・公園にてー
>>+12
そうか、では、よく手を繋いでいた人がいるんだな。
[何となしに、女は少女にそう言った。
いつも出していた気がする、習慣づいていたのなら、左手を握る誰かがいたのだろう。
その者は今はいないのだろうか。彼女を迎えには来ないのだろうか。
少なくとも今は、女がここにいて少女の手を繋いでいることだけが全てだった。
今後彼女の待ち人は彼女を迎えにくるのかどうか、それは分からない。
…来てほしいと思った。全てが終わる前に。
名前と好きなものを問われれば、女は考え事を切り上げて返答を返す。]
私は佐田だ。さた、はるや。なみさんか、よろしく。
好きなものは…
[女は考えたが、はっきりと浮かび上がってくるものはなかった。
そこで女は、自分が明瞭に覚えている記憶が殆どないことに気がついた。]
【墓】 動く死体 佐田春陽
[自分のこと、村のこと。
問われれば何となく思い出せても、はっきりと覚えていることは少なく、誰かに聞かれなくては、それらを忘れていることすら気づかない。
女は悩み、考えた。
人が好きだ。
だが、その意味を理解してもらえるかどうか。
また考えて、少女…なみに、こう返答した。]
一緒にいてくれる人が好きだ。今の君みたいに。
[そして笑いかけ、言葉を続けた。]
カンカン…缶に入った飴が好きなのか。美味しそうだな。
どこに忘れたか思い出せないか？
もし、思い出せたら私が取りに行こう。
[その飴はもうないのかもしれなかったが。
好きなものを思い出せる彼女に、一粒でも与えることができるなら、そうしたかったから。**]
【墓】 動く死体 佐田春陽
ー佐田春夜・記憶の断片ー
勝ってうれしい 花いちもんめ 負けてくやしい 花いちもんめ
[子供たちの声の響く公園、勝ち負け以前に、その土台に立てない子供が一人。
虐められていたわけではなかった。
ただ、心臓に病を持ち、周囲の子供より少し変わった言葉遣いをしていれば、遠巻きにされる理由としては十分で。
同世代の子供が遊ぶのを、ただ眺めた記憶。
孤独ではなかった。家族がいたし、友人もいた。
それでも、埋まらない何かがあった。
最初からそこに自分はいないから。
子供たちの間に空白は存在しなかった。
空白が存在したのは、外側にいる自分だけだった。
存在しないはずの空白を抱えていた、そんな記憶を思い出した。]
【墓】 動く死体 佐田春陽
迎えに…
[子供は約束した。
相手が大人か子供か、男か女かは覚えていない。
それでも子供は約束した。
迎えに行くと。
村に戻るという姉との約束と。
迎えに行くという誰かとの約束と。
二つの約束を抱えて、かつて子供だった女は世を去った。
10年の歳月を経て、姉との約束は果たされた。
女はもう一つの約束を果たさねばならなかった。
相手は思い出せない。故にそれが誰かは関係がなかった。
誰かを迎えに行きたかった。
例えばそれは、傍らの少女なのかもしれなかった。**]
【独】 動く死体 佐田春陽
/*
落とすか迷っていた春夜の過去を落とす。
卯月さん待つ間に落とす予定だったけど、気づけば返信が来ていた。返信しよう。
*/
【墓】 動く死体 佐田春陽
ー佐田春夜・公園から神社へー
>>+28
[少女の釈然としないような声を聞いて、女は我に返った。
彼女を慰めるべきだと感じた理由。
その理由を思い出した今は、彼女を迎えに来るべきなのが自分ではないと理解していても、なお、その代わりを務めてよかったのだと思う。
なみの無邪気な言葉を聞けば、その思いはいっそう確かなものになった。]
私が一緒にいて、君の心が少しでも暖かくなるなら、私は嬉しいな。
そうか。まあ、確かにもう暗いからな。
帰り道で怪我をしないように気をつけるといい、お母さんが心配するだろうから。
[そんなことを言いながら、女はなみの好きだと言った飴を、探せるものなら探そうと考えていた。
本当にその飴が校庭にあるものかは分からない。
けれども、少女が新しい飴を母からもらうことはないだろうと知っているから。
もしかすると墓前に供えられることもないのかもしれないから。
見つかったら、彼女に渡そうと、そう考えながら神社への道を歩いた。*]
【墓】 動く死体 佐田春陽
[神子様が祀られているだろう本殿に足を向ければ、倒れている女性を見つける。なみが花束を取り落とす音がした。>>+36
彼女が疑問を呈したのとほぼ同じくして、女も同じ事を口にしていた。]
どうして。
[それはカナだった。女は倒れている彼女に近づいた。
傍らに膝をついて、顔を覗き込む。彼女と別れたときのことを思い出した。大丈夫と、確かにそう言っていたのに。>>5:41
本当は分かっている。彼女がもう、息をしていないこと。
彼女がもう現世の存在ではなくなってしまったこと。
女は言い知れぬ苦痛を感じた。何もかもがバラバラになるような心地がした。
姉との約束も一度は果たされなかった。
誰かとの約束を果たす前に死んでしまった。
無駄な犠牲を出さないと宣って、結局護り切ることはできなかった。
女はいつも、いつも、約束を守れない。何も護ることなどできないのだ。
できないことは最初から約束しなければいいのに、どうしてだか口をついて出てしまう。
他者と約束を交わすことが空白を埋める方法なのだと信じていた。守れない分、空白が増えるのだと、今になって気づいた。]
【墓】 動く死体 佐田春陽
>>+37
[なみの言葉に、女はうちひしがれた自分の心を叱咤して、もう一度、カナの顔を覗き込んだ。
身体は穴だらけ、きっと苦しんだはずなのに、死に顔は何故だか美しい。
苦しみや迷いの欠片は見えず、信念を貫き通したような顔をしていた。
自身より、一回りほど年下だろう少女の方が、カナの真意をよく汲み取ったようだった。]
自分で…そうか、そうなのかもしれないな。
[カナは巫女服を身にまとっていた。
怪異に着替えさせられたのでなければ、自分で着替えたのだろう。
神子様という言葉を聞けば、今まで頭から抜け落ちていた、彼女の死んだ理由も何となく想像はついたから。]
君は、自分の一番納得できる道を選んだんだな。
[それがカナの最善だったのならと、女はそう自分を納得させようとして。]
君を護りたかった。でも、君も護りたい人がいたんだな。
[それを口に出して、ようやく、女は自分を納得させることができた。]
【墓】 動く死体 佐田春陽
>>+38
[自分を納得させて、わずかに思考力を取り戻して、女はなみの言葉を聞いた。]
君が言った通り、幸せか分からないというのは確かだな。
でもきっと、不幸せではなかったし、一人でもなかったのだとは思ったよ。
…君の神子様に幸せになってほしいと思う気持ちは、その気持ちの込められた花束は、本当に、彼女にとって、かけがえのないものだと思う。
[>>+40言葉を聞いて、女はなみの方へと向き直る。]
なみさん。君とここに来れて、私も本当によかったと思う。
君がいなければ、私は彼女がいなくなってしまったことを、きっと受け止められなかったし、辛くて苦しくて、一人孤独にいってしまったのだと思っただろう。
彼女が自分の意思で行動したと知れてよかった。ありがとう。
そして、花束も。彼女に私は何も手向けられないから。
彼女を想う君がここにいてくれてよかった。
[そして女は、カナの側へと膝をついた。]
カナさん。貴女のお陰で、死者たちは少し大人しくなったようです。ありがとう。お疲れ様でした。そして、おやすみなさい。
[女は軽く、カナの頭を撫でて、なみの方へと向かった。**]
【墓】 動く死体 佐田春陽
>>+49
[それもいいかと、女は、なみの方へと手を伸ばしかけ。
姉と家族と、今、村にいるであろう人間のことを考えた。
女の身体は軋み、悲鳴を上げている。
もう暫くすれば完全に動かなくなり、魂も黄泉へと還るだろう。
然程遠いことではない、本当に、もう少しで限界が来る。
それならば、自分に差し伸べられた手を取ってもいいのではないか。
そんな思考を、女はそっと振り払った。
まだ、残る人がいる。迎えに行くべき人も、まだいるかもしれない。
それを実現できるかは、また別の話だとしても。]
いや、私はまだ、ここに残るよ。気をつけてお還り。
また向こうで会おう。
[女はそう言って、なみへと微笑んだ。**]
【独】 動く死体 佐田春陽
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行かせてもよかったけど、姉も残ってるし、ということで残ります。
行きたい気持ち半分、残りたい気持ち半分でしたね。
*/
【墓】 幽霊 佐田春陽
ー佐田春陽・佐田実家にてー
[霧のようなものに覆われて、意識を手放し、目が覚めた。
目に映るのは10年前の景色。ここは…]
いえ…？
[そう、家だ。私の家。
私の側には、うすぼんやりとした白い影。
霧のようにも見えるそれの、その気配に、私は覚えがあった。]
かあさん？
[母のようだった。いや、間違いない。
助けられたときの感覚が、幼少の頃、母に抱き締められたときの感覚にとてもよく似ていた。]
たすけて、くれて、ありがとう。
[そう言えば、白い影はわずかに揺らめいた。
私が無事でよかったと、そう言ってくれているように感じられた。*]
【墓】 動く死体 佐田春陽
ー佐田春夜・神社敷地内にてー
[なみという少女を見送り、暫く鳥居の向こう側を眺めていると、雉笛の姿が見えた。
なにやら考えながら歩いているようで、そこで女はカナのことを思いだし、社務所の方へと身を潜めた。
雉笛は自らの死と、カナの死に向き合いにきたのかもしれない。
そのとき、第三者がそこにいてはならないような気がした。
雉笛は最期の時間をカナと共にした。故にカナの死に、どこか思うところがあるのだろうとは考えられた。
それ以上は考えなかった。きっと考えてはいけないことだと思った。
雉笛がカナに言葉をかけ、拝殿の方へと戻ってきたならば、女は様子を伺ったあと、雉笛の方へと歩みを進めるだろう。*]
【墓】 動く死体 佐田春陽
ー佐田春夜・神社敷地内にてー
>>+67
[女は苦笑してから言葉を紡ぐ。]
気を遣っていると気づいているなら、それに言及しないのが思いやりというものだよ。
…ああ、そうだ。私はずっといた。
この場を去るには、些か猶予が足りなかったな。
[社務所の扉に背を預け、話す。
この雉笛という女性は竹を割ったような性格をしていて、話しやすいんだか、話しにくいんだか、判然としなかった。
ただ、わざわざ言及しなくてもいいところに言及してきたのは、さて。
以前も自身の死のタイミングについて聞いてきたから、何か言いたいというよりは、ただ気になって聞いたのかもしれないと、女はそう考えを巡らせていた。*]
【独】 動く死体 佐田春陽
/*
最初目的地だった学校に行けそうだったら行く、が目標ではあるのだけど。
後々ドロップを拾いに行く所存。
そして、できるなら、できるなら宵闇さんと喋りたいけど、そこは流れですね。
たとえ会えたとしてゾンビは何をできるのだろうか。
*/
【独】 動く死体 佐田春陽
/*
あれ？ちょっと待て？生駒さんこれ大丈夫か？
朝がくるよ、って実質成仏タイムリミットだと思うんですが。
この世に残るつもりか。まあミームだしな…
*/
【墓】 動く死体 佐田春陽
>>+70
[女は笑った。余裕のないことを見抜かれたのがおかしかった。
自身を死に導いた女。悪意はなく、約束だとしても。
それでも自身を死に導いた直接的な原因に対して、たとえ恨みや憎しみを抱いてなくても助力を申し出るなどと。
女は笑った。虚しい気分だった。
罵られた方が、いっそ気が楽であったろう。]
素直なのはいいことだ。君は何も悪くない。
嘘をつかない、誤魔化しをしないのは大切なことだよ。
私は随分、嘘をついてきたから、約束を破ってきたから。
君のまっすぐさが眩しくて、少し妬んだんだろう、多分、ばつが悪かったとも言える。
自分で約束したくせに、君を死に導いたことを少し後悔したんだ。
今更だ、馬鹿だと思う。色々とな。
[半ばやけも入ったような気持ちでそう告げた。
自分が殺した人間に対して、本当に不実な態度だと思う。
殺したことを後悔しているだなんて告げるくらいなら、最初から殺さなければよかったのに。]
【墓】 動く死体 佐田春陽
私を哀れむのは…やめてくれ…
[言いながら女は、唇を噛んだ。時間が残されていないのは、誰よりも自分が理解している。
やりたいことはまだある。迎えに行くべき人もいるかもしれない。
それでもそれが果たせるかは分からなかった。
自分の無力に絶望しておきながら、差し伸べられた手を掴むほどの勇気もない。
だからといって、掴まずに終わるのも嫌だった。矛盾だ。]
何故だ？どうして…
[二の句は継げなかった。様々な思いが去来し、消えていった。
口に出そうとした言葉は次から次へ、形にならずに消えていく。
やっと口に出したのは、手向けられた花のこと。>>+35]
なみさんが…神子様に花束を供えにきて、君にお裾分けしていったぞ。
[何故それを口に出したのかは分からない。弔われずとも寂しさに押し潰されるような、弱い人間には見えないのに。手向けられた花のことを知っていてほしかった。**]
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