59 【ホラーRP村】晩秋の怪
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雉笛 湊
―トンネル前―
[返事が返ってきた。誰かとはぐれた、と言う事は先ほどの彼と同じツアーの参加者であろう。声もそんなに遠くない。先ほどに比べれば気持ちマシになった霧の先、へたり込むシルエットを捉えて]
大丈夫？貴女もオカルトツアーの参加者なの？
[相手の姿を確認する。女の子がこんなところに一人で来るなど、自分以外には無いであろう。そんな決めつけからそう声をかけた。へたり込む貴女に立てる？と聞きながら手を差し出した]
私は雉笛 湊。貴女は？
[それと同時に自ら名乗る。よもや相手が今世間で話題の人であることなど知りもしない。]
雉笛 湊
[目の前にへたり込む女の子に手を差し出した時に気付く。この場所が先ほど離れたはずのトンネル前である事。
私結構走らなかったっけな…？
霧の中、視界も悪く、体感時間と実際の時間がかみ合わないことは不思議ではない。しかし思い出したのはつい先ほどの出来事
あんまり長く留まりたい場所ではないな。そんな思いを胸に秘めて]
雉笛 湊は、 高校生 卯月 奈美 を投票先に選びました。
雉笛 湊
…そうね。
[先ほどここで起きた出来事を伝えるか少し迷って、伝えるのは控えた。見たところ何かあったのは明白、弱ってるところに今追い打ちを掛けずとも、自分が知っていれば対処は出来るであろう判断。]
小説家にYouTuber…言っちゃなんだけどよくもまぁそんな都合よくキャストが揃ったものねそのツアー…
[名前くらいは聞いたことがある。確かそれなりに人気があるとかなんとか…まぁこれも後輩たちの会話由来なのだが
そんな事よりも目の前の彼女。こっちは最近よく聞く名前ではあるが、何故こんなところに？という疑問はあるが、追及するほどの事でも無いし、何かしら理由あっての事だろうと、敢えて触れないことにした。]
叶多ちゃんね。座り込んでたけど、動ける？どこか怪我してるとかなら背負って行くけど。
[とにかくここは危ない。最早どこが安全かも分からないが、いち早く離れようと彼女に声をかける]
雉笛 湊
なら良かった。凄い音もしてたからてっきりね。
[何か大きなものが落ちる音、そう認識しているが、目の前の彼女に大事無いのであれば、言及するような事でも無い。]
目的…と言えるものは特に無いのよね。
おかしな話かもしれないけど…とりあえずこの霧だと走るのも危ないわね…叶多ちゃんは利き腕はどっち？
[この場を離れる、単独行動にしない。この二点は共通であろう。霧も濃い、少し離れただけで姿が見えなくなる状況なので、手をつなぐことに抵抗が無ければとの提案である]
トンネルが後ろだから…反対方向、こっちにまっすぐ行けばとりあえず村の中心の方には行けると思うのだけど。
[先ほど走り出した方向を見やる。当然その先は1mすら見通しが利かないのだが、この場に留まる選択肢は無い。]
雉笛 湊
なるほどね。まぁでも何もしないよりは…ね。
[じゃあと左手を掴んだ。ちゃんと温かい。当たり前の事だが、そんな小さなことに少し安心している自分がいる]
えっと、このままだと多分ただの変な人だけれど、今から話す事を聞いたらもっと変な人に思われるかもしれないって先に伝えておくわね。
[傍から見たらおかしな人。その自覚は自分にも当然あった。なにせここは廃村だ。
じゃあ行きましょうかと歩を進める。道すがら自身の事を話始める。両親が失踪事件に巻き込まれていた事、祖母の家が見つからなかった事、そしてその場から距離を取ったのを確認して]
実を言うとついさっきね、ツアー参加者の子と一緒にトンネルのとこにはいたの。
[つい先ほど起こったことについても話す。まるで意志を持っているかのような霧の話。]
雉笛 湊
[幸いにして自分も彼も無事…彼はその後どうなったか分からないが、とりあえず逃げれてはいるであろうと願い］
最早オカルトって言葉で片付けていい物じゃなさそうだけれど、どちらにせよトンネルがどうにかなるまでは外に出れそうに無いのよね。
[話をしながら自分が妙に落ち着いている事に今更気付く。なぜかは分からない。けれど確実なことは"自分は恐らく招かれてこの場に居る"と言うこと。
これまでに起きた奇怪な現象。現に先ほどの霧は私には手を出してきていない…たまたまかもしれないが]
雉笛 湊
多分無事…うん、多分。
[緊急事態であったとはいえ、しっかり綺麗に技を掛けた事を思い出す。走っていく足音はしたから、大丈夫ではあろうが、少しバツの悪そうな物言いで。]
憶測…と言うか希望的観測だけれど、バスツアーが催されているなら、添乗員なりバスの運転手なりは恐らく関係者。
私が来た時にはバスもまだあったはずだから、少なくとも旅行会社は動いてくれてる…と思うのだけど
[状況が状況であるため、確実にそうと言いきれないが、論理的に考えればそうなるはずである。だがここでふと思い出す。生駒君の言っていた>>1:181を思い出す。
自身の手でも確かめよう。そうスマホを取り出しインターネットで検索をする。]
地震…結構大きかったと思うんだけど、今日日本では地震が起こってないみたい…ね。
[にわかには信じ難いが、いくら検索をしても情報は出てこなかった。]
雉笛 湊
世界がひっくり返った衝撃とでも言う感じの…まさかね。
[我ながら馬鹿げている。だがしかし、どうしても奇妙な事には変わりない。
しばらく歩くが景色は変わらない。一寸先は霧。
少し遠くにぼやっと何か光が見えてくる］
あれは…？
[まるで今そこに生えました、そう言わんばかりに民家が現れた。
どう考えてもおかしいんだけど…何だろうな、外よりは危なくない…そんな気がする]
叶多ちゃんあれ…見える？
[ピタリと足を止め前方に現れたそれが、自分だけに見えてるなんてことは無いか、同行する彼女に囁くように尋ねた。]
雉笛 湊
[見え方もそう。ただそれ以前に…"何故明るい？"
だが、外と中、どちらが安全か…］
どうしよっか。このままスルーして歩くか、何の保証も無いけど、この中に希望を見るか…
[どちらもしっかり危険はあるであろう。この状況だから。私個人の考えはそう。明らかに誘われているのではないか？なども考えこそするが、またあの霧に襲われたら…私は彼女を護れるだろうか…正直自信が無い。]
雉笛 湊
[右手に感じた力。怖いのは当たり前…か。私が護れる内は…それを考えるとやっぱりこの霧は都合が悪い。]
どっちでも安全は保障出来ないし、不気味ではあるけど、お邪魔しようか。
[そう決めるとそのまま民家の方へ。夕方ごろに見た色々な民家の作りと同じ。違うのは明かりがついている事
ふと表札を確認する。掠れすぎていて読めない…もしかしてなんて思ったけどそんな事はなかったか]
鍵とかは…かかってないわね。
[そのまま左手で扉に手を掛ける。そのままゆっくりと扉を開けた］
…電気が通ってる…もう驚かないけど。
[中は明るい。廃村にある廃屋とは思えない小綺麗さ。ここで改めて妙な感覚を覚える。
誰かがいる
そんな感覚からか不意に言葉が出た。お邪魔します、と。]
雉笛 湊
…鍵閉めておこうか
[扉を閉めたその時、外から感じた気配。アイツだ。本能がそう告げる。トンネルの前で起きた怪現象の正体。
であれば、この民家は私たちを助けるために現れた？…あるいは…]
とりあえず少し落ち着ける…といいわね。
[靴を脱いで中へと上がる。先ほど中から感じた気配も気にはなるが、ここに立ち尽くすという訳にもいかないだろう。
中はごく一般的な作りの日本家屋。ちゃぶ台が一つ部屋の真ん中にあるだけの簡素な作り。
明らかに電気が通っているし、まるで人の手が入っているかのような清潔感]
もうどこからツッコミ入れたらいいのやら…
[最早笑うしかない。]
雉笛 湊
とりあえずは…大丈夫そうね。休める時に休んでおかないと、多分状況が良くなるのは大分先で、悪くなる方が多そうだから。
[中から感じた気配は、外のそれと比べると嫌な感じはしない。感覚的なものでしかないため、叶多にその気配の事を話すかは少し悩みながら]
ところで、多分聞いてなかったと思うけど
[そう切り出すと、貴女はどうしてこの村に？と尋ねる。荷物を置いて腰を下ろして。]
雉笛 湊
芸術家思考…って言うのかは分からないけど、何と言うか災難だったわね…。
[恥ずかしさでそうなっている、とは思っておらず、この捉えようによっては絶望的な状況に顔を覆ったと勘違いをして、それ以上の追求は避けて]
曲…ギター…その名前…まさかこんなところでお目にかかるとは思ってなかったけど。
[名乗られた時にもしかして？という気持ちはあった。そう言ったジャンルに聡い訳ではなく、これまた後輩たちの会話から聞いたもので。]
んっと…こんな状況だけど寝れそうなら寝ちゃっても良いからね。疲れてるでしょうし。
[恐らくいろんなことがあったであろう。出会った時のことを思い出しながら、相手にそう告げる。
何かあったらすぐ起こすから、と一言付け加えて]
雉笛 湊
［原始的だが、現在の状況を考えればある意味一番効果のありそうな話ではある。］
なら、尚の事体力は回復させないとね。
［少し余裕が出来たのだろうかと、小さく笑い「おやすみ」と告げた］
…さて、と。
［しばらくして寝静まったのを確認すると静かに立ち上がる。
外の気配は変わらない。と言うより先刻よりも出てはいけないと思わされる。
入ってきて感じた中の違和感は変わらない。］
問題は明るくなったところで外のヤツが消えるのかどうかよね。
［入口と反対側、窓の方に音を立てないように近付き、カーテンからそっと外を見る。一面真っ白で何も見えたものではない。その時
『まだ、ダメ』
バッと振り返る、誰もいない、聞こえた声は村に着いた時に聞こえた声、そして夢の中でも聞いた声］
雉笛 湊
［どこか懐かしさすらあるそんな声。
誰の…声だっけ。思い出せない。絶対に知ってるはずなんだけど
そんな事を思いながら眠っているであろう彼女の横に腰を下ろす。］
こんな状況だからなんだかんだ寝れてなかったらと思ったけど、大丈夫そうね。
［目を閉じて横になっているだけでも随分違う、と言う話は聞いた記憶がある。小さくそう呟けば改めてスマホを確認する。
地震の情報は無いし、この辺り一帯に濃霧の警報なんかも出ていない
そんな事があるんだろうか。あるのかもしれない。そんな事を考えながら時間は経っていく］
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