59 【ホラーRP村】晩秋の怪
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【墓】 動く死体 佐田春陽
>>+47
時間は、そうだな…
[あまりない、とは言えなかった。
理由は二つある。
神子様の話について、女は詳しくなかったから、それについて聞くというのが一つ。
この子はずっと誰かを待っているのだろうというのが一つ。
この子は孤独だ。それを見過ごすことはできなかった。
ずっと誰かを探していた。
蘇ったときから、迎えにいくべき人を。
それはかつての自分と同じ、孤独に耐えかねた人だったのではないか。]
すまない。許してくれ…
ちゃんとやるべきことをやるから、少しだけ。
[時間はない、ただ、時間がほしい。この少女の孤独を慰める時間が。
それは誰かがやるべきことで、きっと女がやるべきことなのだ。]
【墓】 小説家 深瀬賢
……好きです、湖月さん。
[彼女よりもずっと年上なはずなのに。
綺麗な言葉を並べるのは、誰よりも得意なはずなのに。
こんな時には、決まり切った言葉しか出てこないんだな……なんて。
結局言葉に頼るのはやめて、避難所に向かう道を
彼女の肩を抱き寄せて歩いた。
少しでも、彼女に触れていたかったから。]
【墓】 動く死体 佐田春陽
>>+49>>+50
[自分も寂しいだろうに、他人の孤独を埋めようとするなんて、幼いのに何故こんなに他者を思えるのか。
あるいは長く生きられない神子様を、幼い自分と重ね合わせているのだろうか？]
そうか、君は優しいな。
独りぼっちの神子様も、見てくれている人がいると分かれば寂しくなくなるだろう。
[花束を差し出されれば、女は笑う。]
一緒に行く。
ただ、その花束は、君が神子様に渡すといい。
君が神子様のために作った花束なら、神子様も君からもらった方が嬉しいだろう。きっと喜ぶと思う。
[女はそう言って、少女の様子を伺った。**]
【墓】 小説家 深瀬賢
[腕の中に彼女の温もりがある。
視線を向ければ柔らかな笑みがあって、
幸せを感じると同時に恥ずかしさや、
もっと女性に慣れておくべきだっただろうか――…なんて、
様々な考え、感情が浮かんでくる。
今この村において、そんな場合ではないとわかっているはずなのに。
少しでも、その温もりを独占していたかった。
せめて、目的の場所に辿り着くまでは。]
【墓】 動く死体 佐田春陽
ー佐田春夜・公園にてー
>>+59
[無邪気な少女に微笑みながら、女は少しばつの悪そうな声を出す。]
花束を持つのは、左手にしてもらえないだろうか？
[そう、女には右腕がない。
差し出された左手が手を繋ぐためのものならば、それに応えてあげることは叶わない。故に、女はそう言った。
それから少女が花束を作り直すのを見て、言葉を継ぐ。]
彼岸花か。
この季節になればどこでも咲いているかもしれないが、そういえばこの村には、彼岸花が沢山咲いているな…
[女の生前、この村には、田の近く、道の端、山の中、どこにでも赤い花が咲いていたように思う。]
よし、行こうか。
[女は少女の求めるように、少女に同行するだろう。**]
【墓】 大学生 籠宮 湖月
― 避難所 ―
[地図に載っていた、高台の避難所へ歩を進める。
その場所が見えれば、無事たどり着けた事に安堵の息を吐いて。中へと入れば。]
――……新恵ちゃん！！良かった。無事で。
[ずっと会いたかった、探していた女の子の姿がそこにあって。
思わず、ぎゅっと抱き締めた。
私の姿は見えない、声も届かないかもしれない、とは思うけれど。]
[そして、気付く。]
……一人？ 宵闇さんは、一緒じゃないの？
[辺り見回すけれど、傍には誰の姿も見えなかった。]
【墓】 小説家 深瀬賢
―道中―
我儘？
[湖月の言葉>>+62に、なんだろうと足を止める。
視線を向けて言葉を待っていれば、
耳に飛び込んできたのは爆弾以上の破壊力。]
………………っ、
[瞬間の動揺をひた隠しにするので、精一杯だった。
息を吸って、どうにか心を落ち着かせる。
勢いのままに強く抱きしめてしまいそうなところを堪えて、
優しく彼女を抱きしめたつもりだったけど。]
……湖月さん……。
[結局我慢出来ずに、その両手にはありったけの力が込められてしまう。
早く行かなきゃ、って思う気持ちと。
もう少し、こうしていたいと思う気持ちとがぐちゃぐちゃに混ざり合う。]
【墓】 小説家 深瀬賢
本当に……君には勝てないな。
[あの悪夢のような場所から自分を助けてくれた
天使だとばかり思っていたけど。
とんだ小悪魔だったのかもしれないな……なんて。
そう思うこと自体が、既に彼女に夢中になっている証左なのかもしれない。]
【墓】 浮遊霊 百千鳥(モモチドリ)
[ふと何かに気がつき、山のふもとに捨ててあったガイガーカウンターを飛ばして。これもダメ？と首を傾げてくる。
どうやら生前に持っていたものは飛ばせるらしい。
まだ本能的に人間に対しては恐れを抱いているようで武器になるようなものを持っていこうとするのはその恐れゆえなようだ。
その時、故障していたはずのガイガーカウンターから警告音が鳴り出した。]
ふわあ…？
[続けざまに霧の中を大きな化け物が現れた。
人間が出会えば喰われてしまうという巨大な怪異。
更には怪異は幽霊であろうがこちらを認識しており、]
は、はるひさん！逃げよう！
[霧の中の化け物は幽霊をも食らうように襲いかかってきた。
ガイガーカウンターは怪異にぶつけられて今度こそ完全に破壊され繋いだ手は怪異の襲撃を前に離れ、逃げ惑ううちに離れてしまった。**]
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