4日目 / 176 【誰歓G14】夜光の村【5発言】

176 【誰歓G14】夜光の村【5発言】

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【独】【賊】逆賊ゾズマ

逆賊春秋放浪伝③
ゾズマは供回りに問うた。
「わたしは国に尽くすべきか、己に従うべきか」
みな口を揃えて
「後に習うべし」と述べた。

それでも結論を出せぬゾズマに従者のコミーは
「正義のために犬死するのは己のためであり、恥を忍んで真に正義を成すのが国のためであります」と言った。
これにようやくゾズマは納得し隣国のカッタンに亡命した。
なおマカリはゾズマがカッタンに亡命したと知るや安堵した。続く

(-77) 2024/03/20(Wed) 01:36:16

【独】【賊】逆賊ゾズマ

逆賊春秋放浪伝④
カッタンはゾズマを快く迎えた。
そしてある折節以下の問答があった。
「そちは何ゆえに追われたのか」
「宰相に無実の罪で貶められました」
「さようか。国は恋しいか？」
「…」
「良い。答えは分かっておる。なるほど忠誠と節義の素晴らしきこと噂に違わぬ。帰順せよとは言わぬ。好きにせよ」
「お心遣い感謝いたします」

故郷と旧主、カッタンに恥をかかせぬようあえて沈黙したのである。続く

(-78) 2024/03/20(Wed) 01:42:02

【独】【賊】逆賊ゾズマ

逆賊春秋放浪伝⑤
カッタンに逃れて2年を経た。
その間に人脈が増えた。
近領軍（近衛隊長）のエリュールは特にゾズマと親交深くあった。
エリュール曰く
「近頃、君の故郷が危ういと聞く。何やら政変があったそうな」
「えぇ宰相のゴヨウが失脚して処刑されたとか。そして皇太子も廃嫡となり、反乱も多発しているとか」
「君は立たないのか？」
「…敗れた身であります」
「敗れても命と志は死なぬ」
「…」続く

(-79) 2024/03/20(Wed) 01:50:55

【独】【賊】逆賊ゾズマ

逆賊春秋放浪伝⑥
「友として申す。君は大志を抱き才覚は十分。国への忠義厚く人々から信頼されており切望されている。君がもしいまを逃せば万国の民が救われぬ。生きたまえ」
「…2年もカッタンに恩を受けました。行けませぬ」
「王がそなたになぜ恩を売ったか。それは君が隣国ビリツを平定しカッタンとの交易をもたらすと確信しているからだ」
「…器でありませぬ」
「まだいうか！」エリュールは壁を叩いた。続く

(-80) 2024/03/20(Wed) 01:56:06

【独】【賊】逆賊ゾズマ

逆賊春秋放浪伝⑦
エリュールは剣を抜き
「これは王より賜った宝剣である。わたしの名誉を君に授ける。ゆえに君はわたしに同等の名誉を返してくれ」
「何を望む」
「1000年後まで歴史に名を刻むゾズマの友として名が残ることだ。事を成したあかつきには是非そうして欲しい」
「なるほど。君の気持ちはよく分かった。そこまで友が信じてくれるのならやるしかあるまい」
剣を受け取り席を後にした。続く

(-81) 2024/03/20(Wed) 02:02:50

【独】【賊】逆賊ゾズマ

逆賊春秋放浪伝⑧
従者のコミーを呼びつけたゾズマは以下を命じた。
①王都に潜ませた同志を1週間以内に集結させる
②カッタンの王から貰った宝物すべてを返還すること
③ビリツ国内の同志にゾズマ帰国を知らせること
④帝都のマカリから情報を仕入れること
⑤養父の警護を怠らないこと

このように陣営を整えたゾズマは1週間後、カッタンを後にし、200の手勢で国境付近まで接近をした。続く

(-82) 2024/03/20(Wed) 02:08:35

【独】【賊】逆賊ゾズマ

逆賊春秋放浪伝⑨
従者のコミーは城の城壁を登る名手であった。
ゾズマの食客は一芸に長けた者たちの集まりである。
中には女を口説くのが得意な不埒者でさえゾズマは有用としてあえて手勢に加えていた。

さておきコミーが得意の城壁登りを駆使して城門をひそかに開けると、ゾズマは神速で制圧を図り、あっという間に国境の関所を我が物にした。
関所の兵は近頃の帝国の政治に不満があったので帰服した。
続く

(-83) 2024/03/20(Wed) 02:14:18

【独】【賊】逆賊ゾズマ

逆賊春秋逆襲伝①
帝都は震えた。
あのゾズマが恐るべき速さの進軍で反逆を開始したとの報により朝廷内は紛糾した。
ある者はゾズマを討伐すべし、ある者はゾズマを許して降伏させるべし、と主張は二分した。
陛下がこと珍しく来朝なされた。
近頃の陛下は病気がちでありこれにも朝廷は揺れた。
「彼奴が朕を討つと申すか」
玉座におわす陛下が不敵に笑うと
「よかろう。朕自らが相手をしよう」続く

(-84) 2024/03/20(Wed) 02:21:15

【独】【賊】逆賊ゾズマ

陛下は大軍を動員すると御自ら指揮を執られた。
前軍、中軍、後軍と分けて前軍の司令官は帝国随一の名将と知られるソンムン大将である。帝国三代に使える古株だ。
中軍は陛下が執られ、後軍は皇太子殿下（三男）が指揮なされた。
全軍で4万もの動員である。
さすがのゾズマも想定外のことでありカッタンに早馬を送る。
するとカッタンは応じ、兵3000とエリュールを援軍にくれた。
「さて、どうしたものか…」続く

(-85) 2024/03/20(Wed) 02:28:28