59 【ホラーRP村】晩秋の怪
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九条 叶多
なるほど、柔道。
女性の護身術だと、合気道が一番役に立つのかな？ って思い込みがありますね。
[……ん、なんだか笑顔がぎこちない？
なんでだろう――と。
二度、扉を叩く音。]
……はい。
[すぐに、私を護るような位置取りになっている雉笛さんに感謝をしつつ。
弛緩を緊張に戻して、静かに答えた。]
大学生 籠宮 湖月
[居間には棚が幾つか置いてあり、その上には、埃の積もった写真たてが並んでいた。
鞄から出したハンドタオルで、埃をぬぐい。
同じ室内に深瀬さんが居たなら。]
……これが兄で、こちらが義姉です。
[兄、と指し示すのは、私より少し濃い髪色の男性。
一応、情報までに（？）人物紹介をしておく。]
大学生 籠宮 湖月
[その後、深瀬さんはどうしたか。
私は、役に立つはずも無い写真たてのガラスを、ひとつひとつ拭ってしまって。
最後のひとつ。
厚い埃の下から現れた写真に涙が溢れて、一粒、ガラスの上で弾けた。]
[それは幼い私と兄が一緒に、満面の笑顔で写っている写真。
こんな笑い方は、兄が居なくなってから、忘れてしまった。
この村に来ても、私の事を想っていてくれた。
写真を飾ってくれてた。]
おにーちゃん……。
……会いたい……。
[唇をぎゅっと引き結んで、涙を堪えようと思っても、ぼろぼろ零れてしまう。
そんな言葉は、『死者に引っ張られる』とか『死者につけいられる』なんて。
今の状況にあって危険な事なのだと、そう考える余裕もなく。*]
小説家 深瀬賢
[外で待っているという二人の言葉に頷いたのは、
赤の他人が勝手に見て回るよりも、肉親である湖月が
一緒の方が良いだろうと考えてのこと。
だが、今では後悔していた。
写真なんて見てしまっては。
生活の面影を感じてしまっては。
心が揺れ動くのも、仕方ないではないか。]
小説家 深瀬賢
[会えるといいね、なんて口が裂けても言えるはずがない。
お墓参りに――…と言いかけて、
この村の人達は「集団失踪」しているのだ。
そもそも死亡と確定したわけでなし、お墓に埋められてもいない。
気にしないで……なんて、気にならないはずもなし。
元気出してなんて陳腐な言葉もそぐわない。]
僕は、無力だな。
[言葉を操る仕事をしながら、
こんな時にかける声すら浮かばないなんて。]
……我慢、しなくていいから。
[ただ、静かにハンカチを差し出すことしか出来なかった。*]
【墓】 高校生 卯月 奈美
なみ、誰か待ってた？
あ、早く帰らないとおとうさんと、おかあさんに怒られちゃう！
でももうちょっと遊びたいなー。
2人とも忙しくて遊んでくれないんだもん。
[魂が残留したときに記憶が一部欠けてしまったのか、
姉のことを忘れ、昔の姿に戻ってしまった少女は学校の外へと歩き出す。一緒に遊んでくれる誰かを探して。]
【墓】 高校生 卯月 奈美
－学校から公園へ行く途中にある田んぼ－
わー！きれい！
[彼女は学校から公園の方へ歩いていた。
畔溝に赤い花が咲き乱れているのを見てそちらに寄っていく。そこには茎から反り返った鮮やかな赤い花が、列をなして咲いていた
踊るようにその中へ入り、何本か摘み取ってみる。]
これでおままごとしたらきれいでいいね！
一の神子様 人払い
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[無邪気にそうつぶやくと、誰かに教えてもらった唄を歌いながら彼岸花を一本一本摘んでいった。]**
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