60 【半身内】星狩りの国14村再戦企画
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「私の声ってそんなに煩いかな……」
「少なくとも今のは喧しかったと思う」
ついマジレスしてしまったせいで、ユスターシュは「うっす。すんません」と肩を落としてしまった。可哀想に。
床のラガーを拭き終わった給仕が、新しいマグを持ってくる。チップを渡す様子を眺めながら「次は落とすなよ」と言うと、ユスターシュは無言で首をすくめた。
「床に落ちただけ寧ろいいんじゃね。もしテーブルにぶち撒けてたら、私はあんたを許さなかったかもしれんわ」
そう言うオリエルダは、広げた描きかけの地図に定規を当てる角度を吟味している。覗き込んでみると、なんとなく見覚えのある地形のような気がした。
(-110) 2022/10/06(Thu) 17:05:59
「もしかしてそれ、こないだ西の森奥で見つかったダンジョンか?」
「そうよ。よくわかったわね」
「行ったことあるからな。へー、こっちの方はこうなってたんか」
せいぜい職人や測量士の護衛程度しか地図作成には関わったことがないので、測量技術についてはわからないが、それでも大したものだといつも思う。
食い終わった皿を片付け、作成中の地図を見せてもらう。ダンジョンの周囲とダンジョンの中で分かれているようだ。
「……なあ」
「なに?」と顔を上げたオリエルダに、地図の一点を示した。
「なんで北にあるはずの湖が南にあるんだ?」
「……貸して」
渡すと、測量中に取ったのであろうメモと見比べながら暫く唸り、納得したのか眉を下げた。
「どうやら間違えたようね」
(-111) 2022/10/06(Thu) 17:06:43
「えらく派手に間違えたなァ」
俺の言葉に、オリエルダはペン尻で頭をかきながらため息をつく。
「別にこのくらい派手ってほどじゃねえよ。魔王城と王城を間違えるのに比べれば大して怒られやしないでしょ」
「それは比べるものではないと狐の神使様も仰っているのだがー」
ウズメ、いやウズメが声を聞いている?らしい神使サマとやらの言葉に俺は肯いた。
「ここ結構釣り場としていいんだぜ。ちゃんと直してオススメって書いといてくれよ」
「書かねえよそんなこと。観光マップじゃないんだから」
「いやいや、途中で食料確保するのにも使えるんだって」
「ああ……ふーん、なるほど?」
俺の案は採用されるのかどうかはわからないが、オリエルダのメモの中には加わった。
(-112) 2022/10/06(Thu) 17:07:13
パァンッと突如響いた破裂音に、思わず腰を浮かせて剣に手を伸ばす。しかし見渡してすぐに原因がわかり、体から力を抜いた。
ダニーが誤射した音だ。いつものことである。
「あ、当たった!?」
「隣の的じゃねえか!」
「オイオイ、マジでたまには当ててくれねーと賭けにならんぜ」
博徒共がやいのやいの騒いでいる中、流石に目を覚ましたのかフィアンメッタが珍しく目を大きく開けてきょろきょろしている。そして自分の肩にかかっていた布に気付き、なんとも言い難い表情をしたのを俺は見なかったことにした。
「次こそは当てる!!」と豪語しているダニーに視線を戻したその時、ダニーの帽子が吹っ飛んだ。
(-113) 2022/10/06(Thu) 17:07:49
「へ?」
何が起こったのかわかっていなさそうなダニーの背後で、帽子が壁に縫い留められている。あれは、イルムヒルトの針だ。
「無闇に撃ってはいけない、と言っただろう? もう忘れたのか?」
ぎぎ、と軋む音がしそうな動作で声の主の方を向いたダニーは、静かな怒りを発露するイルムヒルトと目が合った。
じり、とダニーが一歩下がれば、イルムヒルトが一歩距離を詰める。プレッシャーに耐え切れなくなったダニーが駆け出すが、数回瞬きした頃には取り押さえられていた。
「ちょ、絞まってる! 首絞まってるから……っ! ぐえっ」
「灸を据えるとも言ったはずだ」
イルムヒルトから逃れられる筈がないのに馬鹿だな、と呆れた目で見ているのは俺だけではない。調子に乗せたのは博徒共だろうに、助ける様子もなくゲラゲラと笑っている。
「酔っ払いというのはどうしようもないという」
「酒場だからな」
「酒場だからねえ……」
同時に言ったチェスティーノとユスターシュは顔を見合わせた。
(-114) 2022/10/06(Thu) 17:08:39
騒がしい夜が更けていく。
ゲームの決着まではまだ少し。それまでの間は、酒でも飲みながらのんびりするのがいいだろう。
ここは城下町の酒場なのだから。
(-115) 2022/10/06(Thu) 17:09:04
1268pt
1920-1268=652
652!?!?
なん…………微妙に足りない!!!!
(-116) 2022/10/06(Thu) 17:10:14
(-117) 2022/10/06(Thu) 17:10:43
「えらく派手に間違えたなァ」
俺の言葉に、オリエルダはペン尻で頭をかきながらため息をつく。
「別にこのくらい派手ってほどじゃねえよ。魔王城と王城を間違えるのに比べれば大して怒られやしないでしょ」
「それは比べるものではないと狐の神使様も仰っているのだがー」
ウズメ、いやウズメが声を聞いている?らしい神使サマとやらの言葉に俺は肯いた。
「ここ結構釣り場としていいんだぜ。ちゃんと直してオススメって書いといてくれよ」
「書かねえよそんなこと。観光マップじゃないんだから」
「いやいや、途中で食料確保するのにも使えるんだって」
「ああ……ふーん、なるほど?」
俺の案は採用されるのかどうかはわからないが、オリエルダのメモの中には加わった。
61pt
(-118) 2022/10/06(Thu) 17:14:28
役者 ブリジットは、魔法剣士 リベリオ君にハリセンぱしーん。
(A74) 2022/10/06(Thu) 17:14:45
(-119) 2022/10/06(Thu) 17:15:06
(-120) 2022/10/06(Thu) 17:16:58
「じゃ、一足先だけど俺は飯にするわ」
そう宣言し、席を立った。既に離脱した奴らのいる席に向かうと、チェスティーノがこちらを振り向く。
「ん? お前まだ死んでなくね?」
「次の投票だからもういーんだよ。……なあ、ここオムライスある?」
隣の椅子を引きながら給仕に訊ねると、何故かサムズアップで返ってきた。注文すれば、厨房の方にオーダーが通る声がする。俺が席に座ると、チェスティーノが皿とマグを自分の方に寄せた。
「今回はシロのまま生きられると思ったのにな〜」
そう残念そうに言いながら酒を煽るチェスティーノに「仕方ねーだろ」と苦笑する。
(54) 2022/10/06(Thu) 17:17:18
「あれ? もう7日目かい? お疲れ!!」
「うい、お疲れ!」とユスターシュから差し出されたマグを受け取る。中身はラガーのようだ。
「ノアベルトはまだ議論テーブルにいるようだけど?」
「ポーカーフェイスであそこに座ってるのはきちーんだよ」
「あっはっは! 君はそうだよね!」
正面で紙を広げて唸っていたオリエルダに「うるさい」と一喝され、首をすくめるユスターシュの方に、マグを持ち上げて乾杯を促す。カン、と金属がぶつかる音がした。
少し離れた場所でスチュアートがスカリオーネに何かを売りつけようとしているのが見える。漏れ聞こえてくる「禁断の香水」という単語に、もしスカリオーネが懐から財布を出したらそれとなく止めてやるべきだろうか、と思案しながら給仕されたオムライスを一口食べた。なかなか美味い。
(55) 2022/10/06(Thu) 17:18:06
4000文字入んないのか。600ptって少ないね。
>>53挙手制でいいと思う。
シリウスには陣営考察マジやってほしいので
その分の喉確保を是非よろしく、と告げつつ。
>>52ダリル
アクロバティック真綿ってどれのこと?
>>9ノアベルト
中段▲スチュアートについては、狩予測はしても正解とは限らない(挙動の読めないダリルとかいるし)灰なのだから翌日の狩明け狙いの方がリスクが低いと判断するのは妥当に思うな。最下段については「LWは白を稼がないといけない」を念頭に読み解くべき。4dの占いに当たりさえしなければこの状況に持ち込める訳だからさ。
(56) 2022/10/06(Thu) 17:18:12
エースが仕切る賭博テーブルでは、ナガツキが何かの賭けを外したのかチップを巻き上げられている。まだ人狼ゲームの勝敗はついていないが、関係ない賭けをしていたのか、はたまた個別の役職予想でもしていたのか。
「あっという間に襲撃されたせいで暇だった、と狐の神使様が仰っているのだがー」
伝聞にしては本人も不満そうな声をしているウズメに、詫びにとそっと油揚げを差し出す。
「そういうことではない、と言いつつ受け取ってはおくのだがー」
とウズメは受け取ったが、食べる様子はない。その辺の仕組みというやつが俺には未だにピンと来ていなかったりする。狐の神使サマってなに?
「いや、なんで持ってるんだよ」
隣で見ていたチェスティーノが呆れた声で言う。ご尤もなツッコミだ。
(57) 2022/10/06(Thu) 17:18:28
「ん? フィアンメッタは?」
酒場の喧騒の中に姿が見えない気がして見渡す俺に、ユスターシュがそっと隅を指し示した。目を向けると、椅子に座ったまま俯いて微動だにしないフィアンメッタがいた。
「……寝てんのか?」
「そうみたいだね。やっぱり疲れたんじゃないかな」
誰かが親切心でかけたのだろうが、肩にかけられた毛布らしきものが赤色をしていたせいで、一瞬見落としたらしい。
「あれ、ダリルのマントじゃねえのか? 大丈夫か?」
見覚えのある染めと刺繍に思わず眉を顰めると、ユスターシュは何が面白いのかまた笑った。
「持ち主が誰であろうと、ああしてかける分にはただの布だよ」
「その言い方の時点で、諜報屋が電池のことをどう思っているのかが透けると思うのだがー」
「俺は何も言っていないのだがー」
ウズメの口調を真似て俺が追従すると、チェスティーノもポテトを頬張りつつ
「ダリルが可哀想だと思うのだがー」と追撃する。
(58) 2022/10/06(Thu) 17:19:01
(-121) 2022/10/06(Thu) 17:19:04
(-122) 2022/10/06(Thu) 17:19:18
「何で私は責められているのかな!?」
大袈裟な仕草で驚きを露わにするユスターシュの腕がマグに引っかかって、マグが高い音を立てつつ床に転げ落ちてしまった。
「おわぁ!? すんません!!」
幸い中身は大して残っていなかったが、慌てたユスターシュの大声に反応して給仕がモップを持って駆け寄ってくる。マグを拾い上げつつ、床に広がったラガーを避けるように俺は足と椅子をズラした。
「ユスターシュ」
議論テーブルの方から聞こえてきた、決して大きくはないがよく通る声に俺たちは顔を向ける。
「静かに」
リュディガーは唇の前に人差し指を立てた。
(59) 2022/10/06(Thu) 17:19:25
「私の声ってそんなに煩いかな……」
「少なくとも今のは喧しかったと思う」
ついマジレスしてしまったせいで、ユスターシュは「うっす。すんません」と肩を落としてしまった。可哀想に。
床のラガーを拭き終わった給仕が、新しいマグを持ってくる。チップを渡す様子を眺めながら「次は落とすなよ」と言うと、ユスターシュは無言で首をすくめた。
「床に落ちただけ寧ろいいんじゃね。もしテーブルにぶち撒けてたら、私はあんたを許さなかったかもしれんわ」
そう言うオリエルダは、広げた描きかけの地図に定規を当てる角度を吟味している。覗き込んでみると、なんとなく見覚えのある地形のような気がした。
(60) 2022/10/06(Thu) 17:19:54
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